大企業ならあるあるだが、、、。
以前保険会社で営業をやっていた頃も倒れるほどノルマがあった。
ノルマをクリアするたびにどんどんノルマの額が跳ね上がっていき、そもそも単価があまり大きくない保険で、毎月数百万円も1人で新規を取り続けることがどれだけ大変だったか。
今の自分があるのは助けてくれたお客さんのおかげだが、郵便局然り、表立ってなくても大きな企業にはノルマというのは付きものだろう。
なくならない自社登録
前回ブログでも書いたが、多かれ少なかれ、この業界みんなやっていることではあるだろう。まさに今回も売り上げ台数で『何が何でもベンツに勝て』という指令が下っていた模様。
以前ベンツも営業マンから自社登録が相当数ある話を聞いた。
それゆえ、どちらも中古車の値落ちが大きい。輸入車はただでさえ落ちやすい傾向にあるように見えるが、これらの自社登録がそれらに拍車をかけていることは間違いないだろう。
今回は東京の某ディーラーが一方的に契約を切られてしまった件での告発だったが、フライデーによると以下のやりとりがあったようだ。
ノルマは正式名称を『計画台数』と言い、実際にお客様に買っていただいた台数とは少し違う。『計画台数』は簡単に言えば、『販売台数』+『自社登録した新古車の台数』。自動車業界で実績として重視されるのは、この『計画台数』なのです」
’13年以降は『計画台数』が異常に増え続け、数十台もの新車を自ら購入しなければノルマを達成できなくなった。
「『計画台数』をクリアすると、BMWから数千万円のボーナスが貰えるんです。このボーナスが無ければディーラーの経営はそもそも成り立たないので、我々も数台の新古車登録なら従います。しかし、’13年以降は『計画台数』の4割は自社で登録した新古車という状況になり、ボーナスを貰っても新古車登録にかかった費用を補えなくなりました」
『FRIDAY』2020年1月3日号より
代理店がメーカーの一番の顧客
つまりBMWジャパンにとってはディーラーこそが一番の『お客さん』なのだろう。
ライバルも多いBMW車を売れるか売れないかわからないエンドユーザーに売り込むくらいなら、そこはディーラーに任せ、契約解除をチラつかせた上で実に月間販売台数の半分近くもディーラーに購入させるという手法だ。
”そもそも報奨金がないとディーラー経営は回らないので数台の新古車登録なら従う、しかし報奨金が出ても足らないくらい買わされるとなると、、、。”
全く本末転倒である。
どうやらこの戦いにアウディは参加していないようで、中古車価格も全体的にBMWやベンツよりは下落スピードが遅いように見える。
しかし、やはり台数ノルマは健在でR8の新車を1台売るより、A1やA3を複数台売った方が社内評価が高いというのも悲しい話だ。
BMWに期待すること
会社が大きくなればなるほど、方針決定は現場の意志と反する方向へ行きがちだ。
しかし、魅力的な車を多く揃える同社。”感性に訴える走りの良さ”はプレミアムブランドの中でも個人的に1位だと思う。
つまらぬことでブランドを地に落とすことをせず、経営方針を改め、みんなが好きで憧れるBMWであっていただきたい。