過剰な営業ノルマは結局自分に跳ね返ってくる。(画像は東洋経済より)
今回のかんぽ生命の不適切営業の件も、全くもって過剰ノルマが生み出したものだと考える。現場の意向を無視してひたすらにノルマを引き上げていった結果、起こるべくして起こった事だ。それが今、ノルマを課した大元に何倍にもなって跳ね返ってきている。
次はBMWだ。
2019年は販売59000台~62000台が見込みというが、内訳は以下のようになっている。
実売47000台
政策登録分12000~15000台(全体の20%~25%分)
政策登録分ってなんだ?
調べてみると自社登録のことらしい。
全体の20%~25%を自社登録させることを前提で売上計画が策定されている。
自社登録とは、ディーラーが自社名義で購入し販売台数にカウント。その後に中古車として売り出す方法だ。これはユーザーは新車を2~3割安い金額で購入できるというメリットがある。反面これをやり続けると、実際に売れる売れないに関係なく、どんどん新車同様の車が市場に量産されていくため中古車相場が大暴落する。
新車をわざわざ買わなくても新車と同等の車が70%~80%の価格で市場にたくさん並ぶので、お客さんは新車を買わなくなる。ディーラーは自社登録して『2~3割安い新車』を量産するの繰り返しだ。
以下、カーセンサーでBMW 登録済未使用車で検索。268台ヒット。
このように高年式低走行車が複数出てくる。X1などは新車価格477万円だ。
諸費用が30万円弱のっているので、同じように考えると507万円の乗り出しだったはずだが、既に100万円ほど値落ちしている。
車は最近はシステムの複雑化により、高額化が進んでいる。また引越し等によりやむを得ず、手放す時も来る可能性がある。しかし、こんな状況では在庫は有り余っているので当然高値が付くこともない。
本当にいい車が多い輸入車。
買う時は新車から考えればお得でも高いもんは高い。
手放す時に二束三文になってしまうことがわかっているから、手を出すことに躊躇してしまうのだ。
ドイツ車ディーラーに勤める知人に聞いたところ、高級なモデルを売るよりもコンパクトカーやコンパクトSUVの低価格モデルを多く売れ!と指示されるそう。
そのためにエンジンや馬力等スペックの勉強をするより、国産コンパクトカーのライバルを勉強するように言われるというのだ。
これをバカ丸出しと言わず何と言おうか。
大枠から考えればメーカーの方針だが、ドイツ車プレミアムブランドが国産コンパクトカーや軽自動車から乗り換えてもらえるように他車リサーチをしているというのだから情けない。
もっとプレミアムブランドには胸を張って構えててほしい、、、と自動車好きの自分は思うのだが、やはりビジネスである以上売れないことには仕方ない。
俺もそれら高級モデルをバンバン買える層になれればいいが、現状そうではないし買ったとしても登録済未使用車を買うだろう。
そういう風にユーザーを仕向けているのはメーカー自身である。
いずれ、今回のかんぽ生命と同様に現場は疲弊し大きな問題が起きると俺は思う。