ミュージシャン時代に使っていたギターと漆喰壁。
自分の中の常識が相手の常識とは限らない。
話をしていると意外とよく出てくる言葉の一つ、『普通』。
この言葉の意味は
”いつ、どこにでもあるような、ありふれたものであること。他と特に異なる性質を持ってはいないさま。”
これの何が問題なのか。
自分の中の価値観の押し付け
会話の中で良く出てくるし、便利なのでつい自分も言ってしまいがちだ。でもよくよく考えるとおかしな言葉である。
それが今回の『普通』という言葉だ。
用途としては『普通はさ、、、』と相手を諭す様なタイミングで使われることが多い。
具体的には以下のように使われる。
・『普通さ、月のお小遣いなんて3万円くらいじゃない!それなのにうちの旦那は〇〇も使ってあり得ないよね。』
・『普通、自動車保険なんて年間3~4万円じゃん?!なんでこんなにぼったくってんの??』
・『普通さ、ガソリンなんて一度に満タンになんて入れないじゃん??金無くなるし、車も重くなるしさ!1000円ずつ入れる方が賢いじゃん!普通!』
・『普通さ、引っ越して来たら自治会って入るもんじゃない?自治会に入らないとかあり得なくない??』
・『普通さ、日本で乗るなら右ハンドルじゃない??それなのに、外車で見栄張って左ハンドル乗るとかダッサ!!』
こんな使われ方をすることが非常に多い。
どうだろうか。
これらは全て自分の中での『普通』であり、世界に通ずる普遍性を持った『普通』ではない。
以下で1つずつ反論して行こう。
個人的な反論コメント付き
・『普通さ、月のお小遣いなんて3万円くらいじゃない!それなのにうちの旦那は〇〇も使ってあり得ないよね。』
→お小遣い制でない人もいるし、お小遣い制であっても金額は人それぞれ。月1万円以下の人もいれば、一日3万円の人もいる。その普通は、あなたの関わっている極一部の世界での普通である。
・『普通、自動車保険なんて年間3~4万円じゃん?!なんでこんなにぼったくってんの??』
→ネット保険か代理店型か、補償内容による。
例えば18歳で免許を取ってシルビアを車両保険付きで契約すれば、年間保険料40万円以上は当たり前。彼らにとってはそれが”普通”。
・『普通さ、ガソリンなんて一度に満タンになんて入れないじゃん??金無くなるし、車も重くなるしさ!1000円ずつ入れる方が賢いじゃん!普通!』
→個人の自由。金がないのか、レースをやっているのか知らないが、一度にいくらずつ入れようが個人の自由。俺はガソリンスタンドにかわいい女の子がいれば、頻繁に行く口実になるので、一度の給油で5ccしか入れない。
それが俺の普通。
・『普通さ、引っ越して来たら自治会って入るもんじゃない?自治会に入らないとかあり得なくない??』
→任意団体。その地域ではそれが当たり前かもしれないが、東京の様に加入率が50%未満の地域も当たり前のようにある。その地域の人にはそれが普通。
・『普通さ、日本で乗るなら右ハンドルじゃない??それなのに、外車で見栄張って左ハンドル乗るとかダッサ!!』
→ポルシェ911GT3のように国内に入ってくるモデルが、左ハンドルしかないモデルもある。
また、左ハンドル車が世界的には主流。つまり、ワールドワイドに売買される高級車は右ハンドルのリセールが悪い。
そもそも左ハンドル用に作られた車を、無理やり右ハンドルに替えているだけの輸入車も多い。左ハンドルの方が日本の交通法規に合っていなくても、運転することを楽しむのであれば、左ハンドルの方がしっくりくるケースは多い。
まとめ
このように自分が身を置く位置で、『普通』の価値観は大きく変わることがわかるだろうか。
全く違う価値観かもしれない相手に対して『普通さ、、、』という言葉はふさわしいとは思えない。
それが自分がその言葉を、日常的に使わない理由なのである。