何気ない会話や所作に出る品位。
乗り物の走行距離自慢は大きくは2つだ。
1年間でこれだけ走ったぞという過走行の走行距離自慢。
そしてもう1つは1年でこれだけしか走ってないぞという低走行自慢。
今回はこの後者の低走行自慢に見え隠れするドライバーの品位について。
フェラーリは2万mで過走行と言われる
一般的に多くの人が足に買う自動車は車を手放す、もしくは”乗ったね~!”という一段落つく走行距離が10万kmである。
そして中古車を買う人の一般的な感覚からすれば、検討している車が走行距離10万kmに達していた場合『走っているなぁ、、、。』という印象を持つ人が多い。
自動車の性能は飛躍的に進歩しているため、実際には10万km以上も問題ない事が多い。しかし、心理的にこの10万km走行というのは自動車ライフにおける、節目となる1つの指標であることには現在も変わりはない。
それに対して趣味車の代名詞のスーパーカーであるフェラーリは総走行距離2万kmで過走行だと言われる。
となると低走行を売りに出来る距離は1万km以下がメインになってくる。
高性能であるがゆえに部品の消耗が激しいというイメージがあるが、古いフェラーリに関してはその通りであるけれど、最近のフェラーリに関してはほとんど気にならないレベルになっているようだ。ほぼオイル交換のみで30万km以上走行したフェラーリもランボルギーニも世の中には存在する。
ちなみに先日ポルシェディーラーで997GT3RSの売却の話があったそうだが、金額的には折り合いがつかず、ディーラーでは買取にはいたらなかったと担当さん。
曰く走行距離19000kmという過走行な距離が買い取りアップに繋がらなかったそう。
モデルにもよるだろうが、信頼のメカの代名詞であるポルシェですらこの2万km過走行説は根強い。
趣味車の低走行自慢に思う事
SNSの普及により、いろんな人の意見を知る事が出来るようになったのは現代の最も便利な事の1つ。サラリーマンでも頑張って趣味のスポーツカーを持っている人や、お金持ちで悠々自適な生活を送っているように見える人も色々だ。
それで昔から気になるのがこのセリフ。
”たまにしか乗らない車に保険料等〇〇円も払って勿体ないよねぇ。”
である。
そして付随するのが年間走行距離なんて2000kmしか走ってない、3000kmしか走ってない、5000kmしか走ってないという話や月に2~3回しか乗らないのにね、という頻度の話。
上記の普通の車の10年10万kmが1つの指標になっている事を考えると、1年では1万km走行が基準になる。
同様にスーパーカーが10年で2万kmが過走行と仮定した場合、年間2000kmも走ったら既に過走行ラインなのである。
月換算では平均167km前後の距離を走っていれば、それはスーパーカー等の趣味車に於いて『たまにしか乗ってない』レベルではない。
自分の周りにもフェラーリオーナーで
『年間たった4000kmしか乗ってないのに年18万円も保険料払ってバカらしい。』
『月に3回くらいしか乗らないのに維持費が〇〇××、、、。』
という話がチラホラ。
何が言いたいかというと
非常にみっともない。
豪華な家を建てたのに、電気代が勿体ないから懐中電灯で過ごしているような話に聞こえる。
高級な車に乗っていても乗っているドライバーが『普通車がお似合い』なレベルな事を露呈しているように見える。
自分が好きなスーパーカーオーナーの例
997GT3オーナーの場合
昨年知人の1人は997GT3を購入した。
大事に持っていれば今後価値が上がるかもしれない車だが、本人には全くそんな気はないという。
『私にとって車は道具なので徹底的に使い倒します。旅行が好きなので京都でも大阪でも全て自走で走り倒しますよ。北海道一周とかいいですね!』
本当にカッコいいと思う。
F40オーナーの場合
もう1人の知人はガレージにしまいっぱなしのF40を”今年こそは”乗ろうと思って、バッチリ整備をして車検を取得。任意保険も車両保険まで掛けたのだという。
そして先日久しぶりに会ったので話してみたら
『せっかく乗ろうと思って任意保険も入って重整備もしたのに、また一度も乗らないうちに車検が来ちゃったよ~!!』
なのだそうだ。
低走行自慢をするならこのくらいでないと。
2年で0km。
GT40オーナーの場合
深い関係ではないのだが、GT40他ミウラなど複数台を所有している人がいる。
その人は億円級の車を複数台持っているにも関わらず、車両保険には一台も入っていないのだそう。
本人曰く
『事故を起こしてしまった際の相手への補償が一番大事。そこは絶対に無制限でつける。車なんかはまた買えばいいので。』
という事だそう。
スーパーカーに乗っていても普通車を煽り倒したり、強引な追い抜きや迷惑な走行をする人もしばしば(多く)見る。
大概、上記の悪い例の人だと思われる。
せっかくいい車に乗るのだから、『本当に車だけはいいね!』と言われないようにしたいものだ。