バイクの速いは本当に速い。
スポーツカーも速いしスポーツバイクも速い。
しかし、二輪車は全般に四輪車の二回り位は加速性能が良い。なんせ軽い。
自分自身、速い車も速いバイクも好きなので両方乗って思うのだが、速いバイクは怖すぎてアクセル全開はムリ。
それを受けてか、この新型アプリリアのバイクは馬力は『100馬力で十分』と割り切っている。
クラスを超えた性能
0-100km/h加速が3秒前半の車を新車で買おうと思えば、おそらく1000万円以下ではないだろう。2000万円以下まで広げても何台か出てくる車はあるだろうか。
四輪の場合はそのぐらいの金額だ。
これがバイクになると大型二輪であれば、ほとんどのバイクがこのレベルになる。
それらが新車で100万円台で買えるのだから、スピードに対するコスパはかなり高いと言える。
今回発売されるアプリリアのRS660は馬力は100で、車重は183kgと発表されている。
車の馬力に直せば550馬力相当だ。
遅い訳がない。
ここに最新式の電子制御が搭載され、昨日までアプリリアに興味がなかった人まで気になるほどのコスパを誇る。
スペック等の詳細は以下だ。
RS660の新しさは、なんといっても「100psで十分」と割り切ったことにある。搭載される並列2気筒エンジンは、リッタースポーツ・RSV4の1100ccV4エンジンの前バンクを切り出したような考え方で設計され、排気量は659cc。
シンプルな構造の並列2気筒とすることでコストと重量を抑え、これにアプリリアDNAのスポーティな車体を組み合わせている。
エンジンは、もちろんユーロ5適合。ピストン径はMotoGPマシンの上限と同じφ81mmとしながら、ストロークはやや長めの63.9mmに設定。クランクはヤマハMT-07などと同じ270度の位相角とされている。
最高出力100ps/10500rpm、最大トルク6.83kg-m/8500rpmで、回転数上限は11500rpm。最大トルクの80%を4000rpmで、90%を6250rpmで発生するといい、驚くべきフレキシブルさを想像させる。
電子制御はまさしくクラスを超越している。
APRC(Aprilia Peformance Ride Control)と名付けられたパッケージはRSV4 1100並みだ。
6軸IMUを搭載し、トラクションコントロール、ウイリーコントロール、クルーズコントロール(!)、上下対応クイックシフト、調整可能なエンジンブレーキコントロール、キャラクターを変更できるエンジンマップを備え、さらにマルチマップ・コーナリングABS、5つのライディングモードも。
ライディングモードは、公道用に「コミュート(日常ユース向け)」「ダイナミック(スポーツライディング向け)」「インディヴィジュアル(カスタマイズ可能)」の3つ、そしてサーキットユース用に「チャレンジ(RS660のポテンシャルをフル開放」「タイムアタック(さらに細かくセットアップ可能)」となる。
ヤングマシン
アプリリア「RS 660」欧州で正式発表! 装備重量183kgに100馬力の270°並列2気筒エンジン
139万7000円(税込)でLEDヘッドライトやクルーズコントロール、上下クイックシフター、ライディングモード変更までついてくるとは驚きである。
ポルシェで言うGTSグレード並みの標準装備の充実っぷりで、ほんとかよ!と思ってしまった。
クイックシフターもスポーツカーに良く用いられるDCTのようなもので、一瞬でクラッチ操作なしでギアを変更できるものだ。
『いやいや、バイクは自分でクラッチ握ってなんぼでしょ!!』
という紀元前生まれの人もいるだろう。
大丈夫だ。自分でクラッチを握って操作もできる。
しかし、この超速シフトを体験して虜になっている人は多い。
自分もその1人である。
これだけの性能を持ったバイクが本体価格が140万円で買えるなど夢のようだ。
実際デリバリーされるのは来年以降だろうが、日本にも出回ってきたら是非とも乗ってみたいバイクである。