まさにハイパワーマシン。
ディアベルのニューバージョンが1260ccになって新登場だ。
もともと、スーパースポーツ専売メーカーだったドゥカティがこのネイキッドスタイルのバイクを出したときはインパクトがあった。
丁度ハーレーがV-RODを出した時に似ているだろうか。時は流れ、ファミリーの一員として受け入れられている最新のディアベルの走りをチェックした。
出たばかりの頃のディアベルにも乗ったことがある。
見た目はクルーザー的な乗り物で運転姿勢も楽だが、アクセルをひとたび捻ればアスファルトをめくらんばかりの加速力。
やはり間違いなくドゥカティだった。形は変われど、決して走りを捨てていない姿には感動したもの。
そんなディアベルが1260ccの排気量をはじめ、各所パワーアップして新登場している。
DUCATI DIAVEL 1260
排気量1,262 cc
最高出力117 kW (159 ps) @ 9,500 rpm
最大トルク129 Nm (13.1 kgm) @ 7,500 rpm
ホイールベース1,600 mm
シート高780 mm
乾燥重量218 kg
安全装備ライディング・モード
パワー・モード
ドゥカティ・セイフティ・パック(ボッシュ製コーナーリングABS EVO、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC) EVO)
メンテナンス15,000 km / 12ヶ月毎
標準装備
ライディング・モード、ボッシュ製コーナリングABS EVO、DTC EVO、DWC EVO、クルーズ・コントロール、DPL EVO、ハンズフリー・システム、バックライト付ハンドルバー・スイッチ、3.5インチTFTカラー液晶ディスプレイ、フルLEDライティング・システム、ウインカー・オートキャンセル機能
メーカー希望小売価格2,365,000円
キーレスなのでキーは持っているだけでエンジン始動可能。今どきの液晶モニターはカラーで、当然ながら走行モード設定等もすべてこの画面で行う。
サイドから見た姿はエンジンの凝縮感が凄くてマッチョなバイクだ。その割に後ろがスッキリしているので、ボディビルダーのようだ。
ドゥカティのアイコンでもある片持ちスイングアーム。良い。
メーターはデジタル。
メニューは左手側のボタンを使用し、オートクルーズも用意される。隙間が赤く光っているので夜はキレイかな?
右側。エンジンスターターとキルスイッチ。
リアタイヤは240/45/AR17の極太サイズ。
公園のベンチにありそうなシート。
エンジン左側。
街乗り
エンジンを始動する。
元気なエンジンで排気音も勇ましいが、なんかエンジン周辺から鳴り響く高周波の電子音がとてもうるさい。聞いていて猛烈に不愉快になる音だ。鐘の音と鈴の音とパソコンの読み込み画面の音を混ぜて大音量で流している感じ。
一番出力の低いアーバンモードで街中へ出る。
まず最初に思ったのが
『ハンドルが遠くて位置が高い』
ということ。
ハーレーのミニエイプバー的な、肩の高さでまっすぐ両手を伸ばした先にハンドルがある感じ。違和感大。このバイクはオートシフター非搭載のモデル。
視界は広くて見通しも良いが、姿勢がちょっとアメリカン的で大変。腕が伸び切っているキョンシースタイルで走行。
タイヤの太さによるネガな感じは特になく、街乗りでは全然気にならない。むしろ安定感があっていいかな。俺は172cmだけど足つきも良好。ほぼ両足踵まで着く。
走行中はあまり気にならないが、アイドリングで停車するとやはり電子音が煩い。
加速チェック
1260ccの159馬力だ。車重が218kgなので(多分乾燥重量)装備重量250kgとしても車の馬力換算では4倍。159馬力×4倍で636馬力相当のパワーだ。遅いわけがない。
開けた道で安全を確保してアクセルをワイドオープン!
ばるるるるるるる!!!!!
速すぎる。
もう、速いというか何というか、ワープだ。
リッタースポーツバイクの速さは常軌を逸している。速い車も多く乗ってきているけれど、加速力ではまるで比べ物にならない。
ここまでパワーがあると街乗りやワインディングでは半端なく持て余すだろうし、サーキットでしか本領を発揮できないだろう。(世の中そんなバイクばっかりだが)
とりあえずこのディアベル1260の加速力はとんでもない。遅いと感じる人は普段どんな乗り物に乗っているか話を聞いてみたい。
総評
見た目に反して意外と乗車姿勢が楽ではない。
それにパワーがありすぎるせいか、アクセルレスポンスが良すぎて街中50km/hでは3速ではガタガタするし2速ではレスポンスが良すぎる等、結構じゃじゃ馬なところもある。(昔のドゥカティっぽい)
スーパースポーツの方が姿勢も楽でよっぽど長距離が走れると思う。
これはV-MAX的なマッチョなスタイルでドカンと走りを楽しむのが良いバイクなのかも。
俺のレベルではとても扱いきれないし、個体差かもしれないが電子音が煩すぎる。
マッチョな見た目のただのツーリングバイクかと思いきや、とんでもないハイパワーマシンであった。