顔は変だが走りは強烈。
自宅にある乗り物で断トツの動力性能を持つBMW S1000RR。
今のモデルではなく過去の左右非対称ライトが好きなので売ったバイクをまた買い直すほど気に入っているのだが、10年も前に作られたバイクなのにその速さときたら度肝を抜かれる。
サウンドや走行性能や乗車姿勢、他の乗り物に比べて全てがスーパーカー然とした性格で短期間で猛烈な濃度を味わうことが出来る。
エンジン始動が一番賑やかなバイク
マフラーはノーマルマフラーでアクラポビッチのサイレンサーが装着されている。当然車検対応のマフラーだが、バイクに詳しくない人がサウンドを聞いたら『ホントにこれで車検通るの?!』と思うはずだ。
その位騒々しい。
そして電子制御にバグがあり、寒冷時の始動直後アクセルを僅かにでも操作すると10000rpm近くまで跳ね上がり、ライダーの操作とは関係なく一定期間アクセルが回り続けるという恐ろしい症状がある。
DUCATIもビックリなレベルの重大な欠陥だ。
これの対策としては長めのアイドリングをしてしっかり暖気してあげる事のみ。
ただでさえ騒々しいサウンドなのに早朝に長時間暖気を”しなくてはならない”バグがあるので、住宅密集地で早朝から連日出かければいくつかの投書が届くだろう。
賑やかなエンジンサウンドを轟かせて暖気した後は各所が正常に機能するか確かめるようにゆっくりと発進する。
冬の時期はバイクの運転を楽しむというよりオフシーズンのバイクの健康維持が目的。
動かさないと調子悪くなってしまうので。
走って楽しいワインディングは凍結&積雪の恐れ、高速道路は塩カル地獄、妥協の一般道は混んでいて楽しくない。
路面温度も低いので不必要なスポーツライディングは避ける。
自分のせいで予見できる自爆事故を起こしておいて
『S1000RRが守ってくれました~!』
とか言うのは避けなくてはならない。
いやそれにしても速い。
いつ乗っても感動する。
速さでこんなに感動するバイクは初めて。
標準状態で156馬力、四輪換算で約780馬力。
上記はパワーに規制がかかって制限されている状態。
簡単な手続きを踏んでフルパワー化すると193馬力に開放することができ、これは四輪のパワーに換算すると約965馬力に相当する。
絶対的に速い事は間違いないのだが高速域に達する過程もまた感動的。
いや、感動する前にとんでもない速度に到達するのだが。
4気筒エンジンなのに中回転域に達するとハモったようなキレイなサウンドが響き始め、様々なメカニカルノイズが響き渡る様がなんとも琴線に触れる。
スーパーカーみたいなきめ細かいノイズを吐き出しながらアイドリング。そこから荒々しく回転数をあげて行き、ハモったようなキレイなサウンドになり、その先にはサウンドが一本に収束されてワープが行われる、、、そんなイメージだ。
加速、減速、コーナリングと走る動作全てが滑らかで、走る楽しさを最高に満喫できる反面、遅い車に塞がれたり渋滞になると終わる。
ゆっくり走るのは苦手。
可愛い顔と怒った顔が合わさった顔。
ほとんどをガレージの中で過ごしているので汚れはついておらずキレイな状態。
SSに限らずバイクのメインステージは春以降だ。
暖かくなるまでは天気のいい時には少しずつでも動かしてあげたい。
バイクはいいぞ。