走る棺桶。
ビニール製ドアも厚さが2mmくらいしかなくボディも押せばへこむ程やわらかい。
アルミ製の棺桶にタイヤを4つつけて運転している気分になるケータハムセブン。それにしてもこの車には魔性の魅力がある。魔性の棺桶力というか。
みんなが思ってるより速い軽セブン
また大人げないと言われてしまうが先に行っておくと私は大人げない。
落ち着いて思慮分別ある行動しかしない大人なんてつまらんだけだろう。かくれんぼしてお父さんどこ行った?見つからない?あ、電柱の一番上まで登ってた!!くらいでちょうどいいのだ。
この軽規格のセブン、多くの人が心配しているのがめちゃくちゃ遅そう、、、という事だと思う。
というのも、かくいう自分もそれが一番の心配の種だったからだ。
実際のところ、勿論足りないことは足りないが必要十分ともいえる。
先日、峠道で990Sと一緒になりお互い遊びながら競争になった。
が、最終的には向こうが道を譲ってくれた。
軽自動車となめてかかると直線加速もある程度伸びるし、特にコーナーなんてめちゃくちゃ速いのでシートに座り直してハンドルを握り直すくらいの速さは出せる。
が、電子制御ゼロなのでこれはドライバースキルに大きく依存する。
軽自動車エンジンなので低回転のトルクは細いどころか無い。ゼロ。
4000rpm以上をキープして走れば登坂でも130km/h以上とか普通に出そう。
体感的には200ps前後くらいの加速感はある。
ただ、やっぱりここ一発の加速力は弱いのであくまでコーナリングマシン。コーナーでじわじわ詰めていく感じ。
エンジンパワーはあるに越したことは無い。
が、軽規格のセブンが全くダメかと問われれば全然問題ない。
よくある車で例えれば981のケイマンボクスターのように日常使用では全く不足ないが、ここ一発で加速が欲しい時に
『ん~!!弱い!!もう一声!!』
となるあの感じに似ている。
だけど、だからその車がダメとはならない。同じなんだ。
ちなみにセブンは飛ばさなくても楽しい。あの車でしか味わえない独特の視界でガタガタ揺すられながら走る体験は唯一無二のものだ。
天気がいい日に景色の良い農道まで出かけてきた。
春。
遠くには雪山。
今日は日差しが強いのでビキニトップを付けてドア無しで出かけた。
運転席は大暴風だが、かなりセブン味を感じられる。
高速道路の実用最高速度は90km/hくらい。
それ以上出すと息苦しく、サングラスがずれ、帽子が飛んでいく。激しく目が乾く。
走行車線を追い越しながら好奇の視線で見る車たちに見守られて歌を歌いながら走る。
ビキニトップだけの開放感。
強烈な日差しも遮れるし、屋根があっても横ががら空きだから高速道路走行中も手を伸ばせば路面が触れるところにある。素晴らしく良い。
景色のいいところに停まって写真を撮ったりして楽しむ。
ドア無しの方がロー&ロングに見えてカッコいい。
ただ、大きい荷物やバッグを助手席に置いているとワインディング時に落としそうで怖い。
オープンカーが好き、古いデザインが好き、バイクが好き、自転車が好き、風を感じるのが好き。どれか当てはまれば絶対に好きになるセブン。運転席脇に肘をかけてのんびり運転しているだけで満足できるんだ。