ハイパワーモデル以外で初めて手に入れたいと思った一台。
いろんな車に乗っていてもやはり、ハイパワーエンジンを持つ車は楽しい。力は漢の象徴であり憧れでもある。目の前に遅い車と速い車と2台があれば、どちらがいいかなどは質問するまでもない。
しかし、ハイパワーモデルでも何でもないのに、こんなに手に入れたいと強く思った車は初めてかも、、、！
そんなV60 T5 インスクリプションのレビュー。
作り手の思いが伝わってくる車が大好きだ。
BMWのMモデルなどは顕著だし、アルファの4Cやアバルト、ジャガーのEタイプなどのスポーツSUVもそうだ。
メーカーがこんな車を作ると言って出した車に乗り、その思いが乗り手に伝わる瞬間が大好きなのである。
今までのデザインのボルボはほとんど興味をそそられることはなかった。
しかし、ここ最近のボルボの車は素直にかっこいい。
ボルボV60 T5インスクリプション
ボディーサイズ：全長×全幅×全高＝4760×1850×1435mm
ホイールベース：2870mm
車重：1975kg
駆動方式：FF
エンジン：2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション：8段AT
最高出力：254ps（187kW）/5500rpm
最大トルク：350Nm（35.7kgm）/1500-4800rpm
タイヤ：（前）235/45R18 98W XL／（後）235/45R18 98W XL
燃費：12.9km/リッター（JC08モード）
価格：599万円
ボルボのイメージはステーションワゴンだ。日本ではほとんどないボディ形状だが、安定感があり、荷物もたくさん載せられるという点では重宝する。日本のミニバンのように背を高くすると室内空間は当然広くなるが、ネズミがぶつかっただけでも横転するほど不安定になってしまう。
走りと安全性と積載性のいいところ取りが、このステーションワゴンなのだ。
内装はホワイトレザー。
ハイセンスなインテリアで気分が良い。レザーシートも座り心地が良く、シート膝裏に当たるマッシュルームのような形のところは前に延長することができる。
さすがシートに定評のあるボルボ。
8速AT。操作スイッチはシンプル。
スピードメーターは液晶でハンドルの握り心地も良い。
市街地走行
エンジンをかけて走り出す。
ハンドルは軽く、アクセルに対する反応も良いのでボディサイズを感じさせることなくスイスイと動く。
そして驚いたのがしなやかな足回り。
これは素晴らしい。
フワフワするわけではないのに、路面のショックはほとんど吸収され乗員が揺らされることは少ない。路面の悪いところを走っても、かなり角を取った振動が伝わる程度。
今まで、ここまで快適なサスには出会ったことがなかったので驚きだ。
そしてこのインスクリプションにはシートヒーターとマッサージ機能も付く。
極めて静粛性が高く、ハーマンカードンのスピーカーも素晴らしい音質だ。BMWにもハーマンカードンが付いている車があるが、正直音がいいと思ったことはない。
しかし、このV60のサウンドは素晴らしい。
ミュージシャンをやっていた、かなり音にうるさい部類の俺が言うのだから間違いないぞ。
加速性能
254馬力あっても2トンの重たい体である。
ほとんど期待はしていないが、通常の速度で走り回っている限り過不足はなかった。それでは、例えば高速道路の合流時や、強いエンジンパワーが欲しい時はどうか。
開けた直線で試してみる。
遠くの方でエンジン音が響き、車はなかなかに良い加速をする。
254馬力＆2トンでこの加速なら合格点な加速力だ。
総評
静かな車内で上質なサウンド聴き、快適なシートに腰かけてシートヒーターで暖を取る。同時にマッサージをしつつ、オートクルーズで走るのである。
こんなに実用的で快適な車を俺は他に知らない。
俺はこの車であちこちへお出かけしたい、と真剣に思う。
スポーツカーやスーパーカーでない車で100点満点の車は、このV60 T5インスクリプションが初めてだ。
