思いやりの世界。
貧困層の世界ではお金持ちは悪人である。
しかし実際富裕層が多くいる高級ホテルで過ごしていると全く違う印象を受ける。
自分勝手な貧困層と相手の事も考えられる富裕層。
貧困層と富裕層の違い
前提としてその傾向があるという話で全員がそうではない。
お金持ってようと持ってなかろうと魅力的な人は大勢いるし、またその反対も然り。
だが、多くの田舎、地方では金持ちは悪とされている。
輸入車を給油していればガソリンスタンドで奥の軽自動車のお婆が
『どんな悪いことをしたら僕にもそんな車買えるのか教えて?って聞いてみたら?お父さんwww』
これは現実にあった話。
地方在住の人はわかる人が大勢いると思うが田舎者にとってお金持ちは悪であり、正しい事をしている人は軽自動車に乗り、悪いことをした人のみがこうして高級車に乗っているという考えが根底にある。
田舎で新しいベンツを買ったんだ!
と周りに言おうものならよく頑張ったね!すごいね!なんて誰も言ってくれない。
『何悪いことを始めたんだ!?』
と真顔で言われる。
そんな地方から抜け出して都心部の高級ホテルで快適に過ごすと、全く違う人がいる。
おもてなしのプロであるスタッフさん達が優しいし気が利くのは言うまでも無い。滞在した人だけわかるのが
お客さんとして来ている利用者さんたちの多くも優しいし気が利く
ということである。
エレベーターなど共用部で特に現れるが歩幅の小さい娘が来るまで
『お乗りになりますか?』
とお客さんがドアを開けて待っていてくれている。
上層階までエレベーター乗車中、日本人お客さんも娘に『可愛いお洋服ね!いちごが好きなの?』などと話しかけてくれることが多いし、海外からのお客さんも『Cute!How old??』なんて我々がわかりやすい言葉をしゃがんで娘に話しかけてくれる。
そして目的階に到着すればほぼ全ての人がエレベーターのドアを開けておいてくれ、お先にどうぞと譲り合い。
例えばトイレも手前と奥から同時に入ろうとタイミングが他のお客さんとあってしまった場合、100%の確率で向こうは立ち止まり『お先にどうぞ』と言ってくれる。勿論自分もそうする。
食事の時のマナーもほとんどの人が兼ね備えている。
ナフキンの使い方も食べるときの姿勢もいいし、ぺちゃくちゃ音をたてて食べている人もいない。
例えばこれが地方だったらどうだろうか?
我先にエレベーターに乗り他の人に乗られないように早々にクローズボタンを連打しないだろうか。
ドアが開いたら我先にと出てこないだろうか。
順番を抜かしたりしないだろうか。
食事マナーも兼ね備えておらず、猫背で片手食べでぺちゃくちゃと音をたてて食べていないだろうか。
マナーは気取ってするものでは無い。
他の人に迷惑をかけないためのものだ。
ぺちゃくちゃ食べるな。
大声で話すな。
食べきれないほどの量を取るな。
そうやって注意すると怒るでしょう。
俺が美味しく食ってんのになんでそういう水を差すようなことを言うんだ!って。
俺が
俺が
私が
私が
自分だけなんだよね。
貧困層の多くは。
相手がどう感じるかなんてどうでもいい。
自分が楽しいか、自分が心地よいか、自分だけが快適か。
それだけ。
そこが決定的に違う。
宿泊者さんたちの多くもスペシャリスト
先日の宿泊時のエントランス。
ここはバレーサービスを利用するお客さんの駐車スペースでもある。普通に生活をしていてはこんな車に乗ることはできない。
いろんな世界で結果を出した業界のスペシャリストたちがお客さんとして来ている。
だから気遣い心遣い、目配りが出来るのが当たり前と言えばそう。
重要な会食、重い接待など数多の試練をくぐり抜けてきた人たちがお客さんとして来ている。
スタッフさん達は勿論だが、お客さん同士も今回の偶然一緒だったそれぞれの滞在をより良いものにしようとしている感すらある。
家族みんなで自撮り風に写真を撮っていると海外のお客さんの女性が英語で『私が撮るからみんな並んで~!!』なんて声をかけてくれ、我々のカメラでたくさん写真を撮ってくれた。
こういうことが時々ではなくよくある。
全員がそうではないが金持ちが悪い人が多いなんてことは無い。
どちらかと言えば自分勝手を命がけで貫き通す貧困層にこそ悪い人が多いように見える。