セブンが楽しい理由。
最近乗った車で断トツセブンが面白いと思った理由を自分なりに考えてみた。
うまく言葉で表せないけれど、この楽しさを表現するとすればそれは素材そのものの旨みなんだと思う。
食品添加物が多い現代の乗り物
ここ何年も新しい車が欲しいと思うことがなかった。
いいなと思うことはあって見に行ったり、場合によっては乗りに行ったりしたのだけど結局購入するまでは至らず。
勿論どの車も個性はある。
個性はあるものの、その個性とされる大きな分類が同じ。
だから分類自体が気に入らなければもうそこでその中のどれも自分には魅力がない。
今の車は
・運転手A
・車C
とした場合、その間を繋ぐものとして・電子制御Bが入る。
①運転手
ハンドル操作他アクセルやブレーキの操作を行う。
②電子制御
電子制御がハンドル操作を電子的に計算した数値を送りタイヤの向きが変わる。低速では軽くなり、高速はハンドルが重くなるなどの補助も入る。
アクセルを踏んだ量に応じた信号がコンピューターを介してエンジンに伝達され、電子制御されたガソリン噴射量に調節され、どこまでならスリップを許容するかしないかの制御が入った信号がタイヤまで送られる。
その際のシフトアップもダウンも電子制御され、エンジンを壊さないように本来であればあり得ない回転数でシフトダウンしても回転数を合わせてくれるし、それもできない場合変速不可とコンピューターが判断しそのドライバーの決定を尊重しない。(行動しない)
③車
ドライバー自身がこのように走りたい、と希望し伝えたアクセルワークハンドリングシフトブレーキングをたっぷりと電子的に精査し、問題ない範囲で訂正したものが車に伝わる。
この②の存在があまりに大きすぎて、またどの車も方向性が同じで面白くないと思う。
その車がいいか悪いかの判断って極論、②の電子制御が好みかどうかの側面がすごく大きい。
現代の車は素材の味がほとんど感じられない料理
現代の車も各社威信をかけて作っている車が多いだろう。
そこは尊重せねばならない。
しかし、自分のような凡人が乗ってみるとどれも大差ない。結局、ほとんどが同じなんだ。
その同じと感じるのが電子制御、味付けが同じと感じる。
例えば熱が冷め気味な自分がいくつかの車たちの感想を述べると以下のようになる。
①アウディのR8に乗った。
エンジン始動するとブオーと始動時は元気でその後は静か。コンフォートモードに入れるとブーンブーンブーンと滑らかに変速。ダイナミックモードに入れると排気音が太くなりシフトが引っ張り気味になり、減速時は自動でブリッピングしてくれるようになる。足回りは硬くなるが車のスポーティーな部分が強調されワインディングや高速道路では水を得た魚だ。
②BMWのMモデルに乗った。
エンジン始動するとブオーと始動時は元気でその後は静か。エコプロモードに入れるとブーンブーンブーンと滑らかに変速。スポーツモードに入れると排気音が太くなりシフトが引っ張り気味になり、減速時は自動でブリッピングしてくれるようになる。足回りは硬くなるが車のスポーティーな部分が強調されワインディングや高速道路では水を得た魚だ。
③ベンツのAMGV8モデルに乗った。
エンジン始動するとブオーと始動時は元気でその後は静か。コンフォートモードに入れるとブーンブーンブーンと滑らかに変速。スポーツモードに入れると排気音が太くなりシフトが引っ張り気味になり、減速時は自動でブリッピングしてくれるようになる。足回りは硬くなるが車のスポーティーな部分が強調されワインディングや高速道路では水を得た魚だ。
④911に乗った。
エンジン始動するとブオーと始動時は元気でその後は静か。ノーマルモードに入れるとブーンブーンブーンと滑らかに変速。スポーツモードに入れると排気音が太くなりシフトが引っ張り気味になり、減速時は自動でブリッピングしてくれるようになる。足回りは硬くなるが車のスポーティーな部分が強調されワインディングや高速道路では水を得た魚だ。
⑤C8コルベットに乗った。
エンジン始動するとブオーと始動時は元気でその後は静か。ツアーモードに入れるとブーンブーンブーンと滑らかに変速。スポーツモードに入れると排気音が太くなりシフトが引っ張り気味になり、減速時は自動でブリッピングしてくれるようになる。足回りは硬くなるが車のスポーティーな部分が強調されワインディングや高速道路では水を得た魚だ。
どれも形が少し違うだけで中身は同じ。
これは魚釣りに例えるとこんな感じ。
素晴らしいマグロを釣った。
どの味付けで食べたい?
①醤油バターのよく焼きステーキ
②本場のキムチで炒めた激辛キムチ炒め
③さっぱりとレモンバターのフライ
④4種類のチーズを絡めたグラタン風
いや、ちょっと待て。
俺はそのままを味わいたい。
ワサビ醤油で食べるという選択肢はないのか?!
無い。
味付けはこちらで指定した4種類のみ。多少のオプションと好みは聞くが基本は変えられない。
ケータハムのセブンは
①パワステ無し
②ブレーキサーボ無し
③ABS無し
④変速時の回転数合わせ無し
⑤走行モード無し
⑥エアバッグ無し
⑦ヒルホールド無し
⑧エアコン無し
⑨オーディオ無し
のまさに自動車の素の味そのもの。
ケータハムセブンはマグロをワサビ醤油で食べるそのもの。
現代のF1も自分の脚力のみで車両を停める倍力装置なしのブレーキなのだという。
セブンも同じ。
まさにドライバーのスキルによって数%単位で踏み増すことができる。
現代の車のように軽く踏んだだけで30%踏んだ効果、とか無い。
エンジンがとか入門モデルがとかではなく、久しぶりに取れたての美味しい野菜を、魚を食べた気持ちになれた。
そうだ、忘れてた。
車は昔はこうだった、本来はこうなんだ。
これが自分がセブンが面白いと思った一番の理由。