出木杉君Zの妙。
人生は比較するもので大きく変わる。
一日8時間働いて辛い人もいるが、一日16時間働いているような人も世の中には大勢いて彼らからすれば8時間労働など半休に過ぎない。
うちのモーターファミリーにハイパーポンコツが来たことで勢力図に異変。
運転が楽しい車→ただの車に
フェアレディZニスモは足周りについて多くのネガティヴな話が飛び交っている。
自分のZは標準グレードなので足回りはしなやかでロングツーリングも難なくこなす。何なら静かで眠くなるし快適至極。車内が臭いだけだ。
休日になればZに乗ってお出かけするのも楽しかったが、最近ケータハムセブンというぶっちぎりのポンコツ界の王が納車された。
彼のポンコツっぷりは常軌を逸していて、比べるとあらゆる電子制御の入った車が良くできたファミリーカーでしかない。
セブンのハンドルは小さすぎて持っているだけで肩が凝る。
そして重ステで腕が筋肉痛になる。ギアが固すぎて掌があざになる。
ハンドルに遊びが無いため数ミリ動かすだけで進行方向が変わり、後ろから見ていてとても落ち着きがない。(まっすぐ走り続ける事ができない)
飛び石が顔周辺に飛んでくる。
物凄い風で目が乾く。
狭くて体の自由が利かず疲れる。
水たまりを踏むと床下浸水。
ボディに水がかかると足元上から水が垂れてくる。
シートは取り付け不具合のためスライド不可。
まだまだたくさんあるが、こんな車と比べるとZなどはロールスロイスでしかない。
快適で全ての操作系が軽い。
アドレナリンなんて1mmも出ない。
ブレーキを踏めば停まる。
セブンは軽いので加速は良い。
が、ノンサーボのブレーキは止まらない。
下り道で攻めると次のコーナーでハンドルに掴まって本気でブレーキを踏み込み、曲がれるまで減速できるかガードレールを突き破って崖下に転落するか毎回命がけ。
もし落ちた場合、屋根無しドア無しエアバッグ無し。
あまりにも最低で、この最低さが現代の家電のように良くできた車に辟易していた自分には最高にハマった。
常に目の前に死があるので今生きている事を強く感じる事ができる。
1つの問題
ここで一つの問題がある。
セブンが断トツ問題車なのでこの車に手がかかり過ぎ、ドアも屋根もあり、洗車をしても車内に水が漏れないような高級車達の登場回数は激減している。
もうABSなんて付いている車はダメだ。
エアコンなんてついてたらダメだ。
パワステなんて邪道。
走行モード切替?自分の腕でやらんかい。
手に入れたばかりの補正もあるのでそのうち飽きる可能性も高いが、今はセブンの毒にやられている。
以前道の駅で会ったセブンオーナーは3台のセブンを所有していると言っていた。
それも凄いなと思ったが現在納車待ちでもうすぐ納車になるので、どんな車かすごく楽しみと話していた。何を買ったのか聞いてみたらやっぱりセブンだった(笑)
でも今なら気持ちがよくわかる。
通常のファミリーカーがホテルなら現代のスポーツカーはグランピング。セブンは線路の高架下でダンボール敷いて寝る感じだ。
しかし、その何も用意がない雑踏の中でしか感じられない何かがある、みたいなそんな乗り物。