RZ34走行距離300km走っての感想。
当初は納期未定と言われていたフェアレディZも突然納車が決まり、この頃には届くと言われていたよりも遥かに早く手元にやってきた。
日産の計画性。
ところで納車された新型フェアレディZを300kmほど走ってみたので現時点でのファーストインプレッション的なモノを述べる。かなり限定的な条件で乗っているので今後は大きく変わる可能性もある。
基本子どもが同乗の飛ばせない&慣らし運転が前提
納車されてから約2週間が経過した。
納車後すぐにドライブに行ったり、遊園地に乗っていき走行距離は300kmを少し超えたところ。
普段は車が要らない生活なのでその位しか行ってないけれど、割合的には
一般道 7
高速 2
ワインディング 1
くらいの割合で、隣に3歳の子どもを常時乗せた状態で慣らし運転中3000rpm辺りを上限にして走った感想という前提条件。
だからこれで動力性能が良くない、、、という話をするのはナンセンスな状態。
ちなみに購入したのはベースグレードの6MT。
自分の物だから忖度なくそのままファーストインプレッション。
外観&内装について
国産車特有の新車の香りだが、臭い。
ドイツ車とかイタリア車って人体に有害とされるこの接着剤の臭い匂いしないけれど、久しぶりの日本車新車は強烈。きっと出来立てほやほや、新品なので余計に臭い。
鼻がいい3歳の娘が臭いといい、自分も匂いに敏感なので臭いと思う。
娘が乗って『クサイの車』と命名するほど、日本車初心者には強烈なインパクトの香り。
車酔いも誘発するのでこれは天気の良い日に窓を開けて放置するなどして、なるべく早くに消臭したいところ。
外観はコンパクトなスポーツカーで若干寸詰まり感もあるけれど、この辺は好みの範囲。日常的に使うのであればこの位のサイズの方が使いやすい。
車内は窮屈な感じはせず、シート後ろにも広めな荷物置き場があるのでハンドバッグやボストンバッグ位置ける。
その後ろの荷室は広いのでなんでも置ける。
ただ、ガラスが素ガラスで毛穴まで丸見えな位透き通っているので、プライバシーや断熱を気にする人はフィルム必須。
市街地走行
カタログで確認すると405PS、48.4kgf・mのスペックだが、馬力はともかく発進時のトルクは細いように感じる。
トルクの数値だけ見れば特にMTであれば半クラにつないだだけでスルスルと動いてくれそうなイメージだが、とんでもない。
普通にエンストする。
3,000cc V6ツインターボでトルク48.4kgf・mもあるのに発進時に丁寧にアクセルで繋いでいかないとエンストする細さはちょっと残念。
クラッチは軽いので足が疲れるような事はないけれど、ここは想定外。
発進した後も回転数が2000rpm以下ではそこまでトルク感は感じず、力を感じるのはそこから上の過給機が作動してからの領域。
発進から2000rpm以下でギアを繋いでいけばホントにただの普通の車。
ちなみに6速に50km/h位で入る。
なるべく高めのギアを使って走った結果、街乗り燃費はストップ&ゴーを繰り返しても10km/L位を表示している。
満タンで550km位走れそうな感じ。
燃料はハイオク。
で、驚いたのが望外に乗り心地がイイ。
渋滞含む片道100km近い距離を全部下道で走って帰ってきても腰痛一切無し。
アウディのA3だったら途中で休憩して伸びをしたい距離でも、そんな必要がない位しなやかな足回り。
段差乗り越える度に車両がゴツゴツと揺すられて、いつコーヒーを陰部にこぼすかわからない、、、とは正反対の
超快適。
先日ゴールドウイングで青森まで行った。
片道600km以上だ。
同じ距離をこの車なら行ける。
アウディのA3で行くのは辛いから嫌だと思う。
その位違う。
イメージ的に高速道路の継ぎ目も
ゴン!!ゴン!!
と来そうな見た目の車だがとんでもない。
静かに
トントン。
といなしていく。
タイヤのロードノイズはやや大きめだが、それにしてもスポーツカーとして見ればハナマル級の乗り心地と言える。
ワインディング
こんなに乗り心地のいい足回りなのにコーナーでちょっと速度高めでコーナーに入って言っても、待ってましたとばかりにキチンと曲がる。
気持ち悪いロールも無し、ここはフェアレディZの真骨頂と思われる。
ギアを1段か2段下げ、ワインディングを2000rpmから上をキープして走るとアクセルレスポンスが鋭くなり気持ちよい加速。
全然遅くないし、でも急加速するコワさもなく2000rpm以下は上質な輸入車的な乗り味で回転数を高めるとスポーツカーに変身する。
今流行りのスポーツモードとかコンフォートモードとかの選択はなく、回転数で管理する昔ながらの仕様だ。
早く走りたければこの回転数を下回るな!的な。
調子に乗っていると娘が酔うので僅かしか試していないがそう感じた。
これ、レッドゾーンまで回せる状態で1人でワインディング走ったら結構楽しいと思う。
回転数高めにして走ると車が生き生きとして、結構勾配のある上り坂でも普通の車で下りでアクセル全開にするよりも素早く駆け上がれそうな加速感。
上りでアクセル強めに踏んだらヘッドレストに頭が張り付いた。
ターボを如何に使いこなすかが早く走らせるカギのような車。
高速道路
高速道路では完璧にGTカー。
速度が高まってくると405psを肌で感じる事ができ、6速固定のままでもクルージングも追越も完結。
遅い前車を抜かすときもシフトダウンの必要無し。
社外のECUに変更しただけで300km/h以上出したテストもあったようだが、実際その位のポテンシャルはホントに持ってるだろうな、、、と思わせる加速をする。
6速のまま踏めばみるみる速度を上げる。
MTでもオートクルーズがついていて、オートクルーズ設定すればMT車でも前車に追従し速度を合わせて走ってくれる。
今時の車らしく対向車や前車が無ければ自動でハイビームになり、対向車が来ればロービームに戻る。
バックカメラは平成初期のVHS時代のアダルトビデオ並の画質だが、何とか後方は確認できる。
車のスポーツとラグジュアリーの割合だと
スポーツ 3
ラグジュアリー 7
位のイメージで、普通に使えるGTカー。
エンジン始動時ガオーン!!とかMモデルみたいなバフォン!とか無い。
ファストアイドルすら静か、落ち着くとさらに無音。
窓閉じてると排気音は無音。
ハードな突き上げ無し。
ブリッピングしても聞こえん。
同乗者と楽しく会話しながら快適にお出かけできる素晴らしいGTカーだ。
これが自分のRZ34フェアレディZのファーストインプレッション。
総評
M2~M4コンペが好き!
595コンペが好き!
4Cが好き!
この手のタイプの人にはパンチが弱すぎる。
なんせ静かだから。
大人しい。静かに速い。週末の車としては特別なスポーツカーの持つ非日常感が弱い。
でも、何なら一台で通勤もデートも子どもの送迎もこなせて同乗者から煩い、腰痛いの苦情も無しでかつ、ワインディングや高速道路では静かに、そして水を得た魚の如く走る車を求めるなら、この車は最高のパートナーになってくれるはず。
具体的に言うと
・週末は1人で美味しい物を食べに、またはいい景色を楽しみにのんびりドライブ。しかし出先でワインディングに出会えばギアを1段か2段下げて楽しみたい方。
・彼女や奥様、大切な人とのんびり快適に会話を楽しみながら旅を楽しみたい人。でも、遅い車は嫌いでそこらの車が挑んできても負けない性能を持っていたい人。
・巷に溢れる燃費はいいものの、アクセルを踏み込んで100km/hに達するまでに1カ月もかかるような車などに乗りたくない人。
・日産が好きで日産の秘めたるパワーを自分の手で操ってみたい人。
・自分のように子どもの送迎や日常の足として使いたい人にもピッタリ。
乗った事ないと見た目しか評価するところが無いけれど、ぶっちゃけ見た目なんてどうでもいい。色もなんでもいい。どれも大したことない。
それよりも動力性能と快適性能のバランス。
飛ばさない人が法定速度でのドライブ用途に使っても楽しめるし、グローブ&レーシングシューズ装着して運転する人にも気に入ってもらえるはず。そのどちらも行ける守備範囲の広さがこの車の最大の魅力だ。
自分の車は色が派手なせいか臭いせいか、高速道路ではよく道を譲ってもらえました。