どれも似たり寄ったりに見える。
電気自動車に少々興味があり色々気にしてはいるものの、まだまだ実用面だと人柱レベルに近い気がしている。それに結局どれも航続距離が似たり寄ったりで、言ってしまえば外見が違うだけの白物家電。
自分が一番気になるのは航続距離かな。
富裕層と時間の関係
日本車の営業さんに電気自動車の話を聞いた時はこんな風に話してくれた。
『電気自動車お勧めですよ!値段は少々(かなり)張りますが、往復200~300km位だったら帰りに30分程度の急速充電で80%まで充電できるしすごく便利です!それ以上の距離を走る場合でも道中で急速充電器を探してもらって、そこで30分ずつ充電すれば良いだけなので!』
そしてドイツ車の営業さんに電気自動車の話を聞いてみたところ、こんな事を言っていた。
『電気自動車はそれ自体に興味を持っていただいて不便なところも理解してくれるお客様でないと、まだまだ万人に勧められるレベルではないと思いますね。航続距離が500kmと謳っていても結局そんなには走らないので、、、。
また、うちの車を購入されるお客様は経営者が多く時間を気にされる方が多いです。ガソリン車だったら3分で終わる事が電気自動車だと30分も車のために待たねばならない。それが受け入れられないという方が多いです。』
電気自動車はまだまだ全般に車両価格が高い。
高いけれどその高い車両価格を支払う事が出来る購入者層には時間の無駄を気にする人が多い。
ある自動車ジャーナリストがホンダeに乗って東京から鹿児島まで1655km走ったレポートを読んだ。1655km走る間の充電に費やすために停止した回数は17回に達したそうだ。
30分×17回=510分。
充電のみに費やしている時間は8時間30分。
これだけの時間があれば朝から晩まで鹿児島の観光が出来た。
ロールスロイスの新型EVであるスペクターはカタログ上の航続距離は520kmなのだそうだ。
5000万円を超えてくるだろう車両価格の車にしてはそこらのEVと航続距離が大して変わらんが、、、と思ってみていたら
『ロールスロイスのスペクターを購入されるお客様は他にゴーストやファントムなど長距離走ることが可能なロールスロイスを持っている方がほとんど。だから、航続距離は問題ない。』
という事らしい。
それじゃゴーストやファントムだけあればいいね。
やはりここにも冒頭にも書いた通り、電気自動車に理解をしてくれる人が前提条件になっているのは間違いない。
いやいやロールスロイスを買うような人は一台所有なんて事ないから、複数台持つのが当たり前なんだよ、バカかね君は!と言いたい人もいるだろう。
そんな事はわかっている。
自分には5000万円以上もするEVを売るのに、その辺の国産EVと大して変わらない航続距離の電気自動車を売るメーカーの言い訳(と諦め)に聞こえるという話。
現在は昔の巨大携帯状態
自分はその時代は知らないがその昔は携帯電話はグランドピアノほど大きかったそうだ。それを持ち歩いてみな外で仕事をしていたのだとか。
それが今ではポケットにすっぽりと入る携帯から紙のように薄い携帯まで登場している。
今の電気自動車はまさに巨大携帯状態だ。
数百キロものバッテリーを積んで走る事が出来るのはたった300~400km。
きっとそのうちSDカードやマイクロSDのようにコンパクトで高性能なものに置き換わるだろう。
そして昔はバッテリーを物量勝負で100kg以上積んで走っていたからね!!という笑い話になるだろう。
勿論買う人がいないと電気自動車の発展も無いのかもしれないが、自分は出先の急速充電施設で充電器の取り合いで殴り合いをしてニュースデビューしたくないので、今は静観する事にしている。