憧れの時計の1つ。
自分は古いものが好きなんだ。
自分が小さかった頃に買えなかった物や憧れた物、現代にはないデザインや要素がある物。先日購入したヴァシュロンコンスタンタンのノスタルジーも最たるもので、普段使いも普段以外使いもしないけれど、とにかくこのうっとりするほど素敵なデザインにやられてずっと探していたんだ。たまらん。
ヴァシュロンコンスタンタンのノスタルジーの魅力。
現代では見ないデザイン
古い時計大好き。
時計に限らず車も昔のモノは現代とは違った価値の基準で作られている。
以前からだが自動車に関しては欧州車全盛で、特にデザインは顕著で欧州車が考えたデザインが本国のブランド周辺で流行し、それを数年から数十年遅れで日本メーカーがパクるという構図だ。
ヨーロッパ系高級車の代名詞だった流れるウィンカーも、一文字に繋がるテールライトもデザインの凝ったLEDヘッドライトも、細目も、サイドデザインもありとあらゆる物が日本メーカーにパクられ、街中でも似たような車をたくさん見るようになった。
クオリティは全然違うが。
これが現代の時間軸で、ある程度まとまった期間で見る1つの流行だ。
もちろん時計界にも同じことが言え、デカ厚ブームが少し落ち着いてきているとはいえここに来て32mm前後の小ぶりな時計が出てきても全く流行の兆しは見えないだろう。
つまりある程度の期間では全体的に似ている物が多いが、一気に時間を巻き戻した頃の時計は今の流行とは全く違っていて素晴らしく好きなんだ。
歴史あるブランドであるヴァシュロンコンスタンタンが90年代に発表したノスタルジーもその一つ。
この時計は腕時計に大量生産の波が押し寄せる前の1940年~50年代の時計に思いを馳せた時計ではないかと言われている。
まだ腕時計が高価で誰もが持てなかった時代に、各社が世代を超えて受け継ぐことが出来る価値ある時計を追い求め続けていた、そんな時代を懐かしんで尊敬し作られた時計ではないかと。
ノスタルジーというのは『郷愁』という意味で、遠い得難い物、失われたものに対して心惹かれ憧れや恋しさを抱くという意味だ。
ノスタルジーを紹介していた時計屋さんのブログにはわかりやすい説明があった。
丸型のケースに勾玉の様な形状のラグが生えております。
ラグとケースの間を見るに恐らくケースに溶接などの方法で後付けしたラグでは無いかと推測できます。
このラグを溶接するタイプの腕時計は現代ではすごく少なくなっているんですよね。今の時計業界のケース形状の主流は「ラグ&ケース一体型」のものが多いです。
いわゆるロレックスやオメガなどのケース形状を思い浮かべて頂ければ分かり易いかと。この「ラグ&ケース一体型」形状を採用する利点は2つ、ラグとケースが一体となることによる堅牢化、工作機械にて素材のステンレス、ゴールドをくり抜く事でケースの製造の大半のプロセスが終了できる効率的な点ですね。
「ラグ溶接型」のケースはどうしてもケース製造時に人の手が介入しますので、コストも時間もかかる大量生産には不向きなケース製造方法なんですよね。
手間暇かかるノスタルジーの描くケース&ラグの曲線・・・・美しいんです。おそらく自分もこの見慣れなくなったラグ形状に懐かしさとリスペクトを覚えるのだと思います。
そして内部のムーブメントですが、
cal.1133
フレデリック・ピゲ製造のムーブメントFP950をベースとしてカスタムしたムーブメントですね。最近よく登場するフレデリック・ピゲムーブメント。
薄くて、美しくて、安定する。といった三拍子そろったムーブが多いですね。
時計館中野店
あの頃の時計作り「ヴァシュロン・コンスタンタン ノスタルジー 48001/000J」
外装の美しさもさることながら、ムーブメント自体もオーデマピゲのロイヤルオークなど、当時の超高級メゾンを支えていたムーブメントが採用されているのだとか。
車で言う所のエンジンが名機みたいなもの。
とにかく美しいこのノスタルジーを見て欲しい。
機械で量産したのではなく職人が1つ1つ大切に作り上げた工業製品というより工芸品。
所有する事の満足感はとても大きい。
ややーピンクゴールドっぽい。
サイズは34mmと小ぶりだが存在感ある。
時計本体のみの売り物は時々出てくるけれど、ギャランティーカード付きの物になると数が少なくなり価格も高くなる。程度が良い物はさらに値段が上がる。
自分が買ったのはギャランティーカード付で程度がキレイな物。
出てきた時に即決しないと一瞬で無くなる。
光の加減により様々な光り方をする。
横から見るとラグの存在感が大きいのがよくわかる。
現行で販売されているトラディショナルのようなデザインが既にある。(外側の線路みたいなライン)
レザーべルト。
裏側。
ヴァシュロンコンスタンタンの刻印があるローター部分は21金。他は18金。
シンプルなドレスウォッチが大好きだ。
普段身につけて出かける事はほとんど無いけれど、時々見たり触ったりするだけで充分。
デザインが表も裏も美しくたまらない。
やはり本物が持つ存在感って手にしてみるとよくわかります。
大満足。