スーパーカーらしい走りを求めてくる。
フェラーリ360モデナを以前購入して5年間所有したのちに今度はランボルギーニガヤルドへ。ガヤルド乗って思うのは360モデナが如何に乗りやすい車だったかって事。
サイズと車高意外はどこでも使えた360モデナ。それに対してガヤルドは明確な走りへの要求がある。
フェラーリ360モデナとの比較
ガヤルドを購入して約2カ月が経過した。
楽しんでよく乗っている。段々この車の性格もわかってきたのでファーストインプレッションをまとめてみようと思う。
主な比較は過去所有の360モデナ6MTだが、年式も近いので比較対象としてはまずまずだろう。
上記にも書いたのだが、ガヤルドを購入して1カ月乗ってみて思うのは360モデナが如何に完成度の高い車だったかという事。
乗った事がない人がしばしば言うのが『フェラーリの360以降は女性でも子どもでも犬でも運転できる』と言うのがあるが、この手の車は車の運転が苦手な人にはかなり難しい。
なんせ、視界が悪すぎる。
あと、縁石には確実に激突する車高なので、事前にそこに縁石があるな、、、と予防的に見ておかないと家に到着する頃には車が随分サイズダウンするだろう。
道路へ出る時後輪を縁石に載せてしまう人には100%無理。
常に余裕を持った運転が求められる。
しかしそれを除けばこの上なく乗りやすい車で、運転していてショックも振動も控えめなので長距離も割と平気。燃費も5~6km/l走るし、何よりトルクがあるので半クラにするだけで、ある程度の坂道もグイグイのぼっていく。
所有期間中、発進時にアクセルを踏みながらクラッチを離した回数なんて数えるほどしかない。クラッチをそっと離すとグイグイ前に進みだす。
完全に離したら普通に前に進んでいくのでアクセルを踏んでいく。これのくり返しだ。
これがガヤルドだとこうはいかない。
ランボルギーニ ガヤルドの場合
V10 5,000ccもあるのに発進時のトルクが細く、登り坂だとクラッチ操作だけでは進んでいかない。むしろ後ろに下がる。
そして、半クラの部分が物凄く狭いので丁寧に操作しないと一気に繋がりエンストに繋がる。平地でも同じ。
また暖まるまではシフトが硬すぎるので、ご機嫌を伺いながらギアを変えていく。
例えば自宅から出発した直後、エンジンは暖まっていないので1速から2速に入れようとしても入らない。硬すぎて跳ね返される。(自分は1速から2速に入れたいのに成人男性並の力で2速の入り口からNに引き戻されようとするイメージ)
その場合、飛ばして3速の入り口に当ててみるとそこまで抵抗がない。これはいけそうだとそっと押し込んでみると入る。
『2速に入れるのは嫌で3速が良かったのね』という感じだ。3速も嫌がられて入らない事もあるが。
先日は1速を嫌がり2速発進した。
あと一度やっても任意のギアに入らない時はクラッチを一度繋いでNに戻し、再度Nから変速を試みると入る事もある。入らない事もあるが。
ガヤルド前期が発売された当時のレビューを読んだのだが、
『MTの変速が硬すぎる!!』
と書いてあった。
発売した当時の新品ピカピカでその状態ならもうどうにもならん。
ポンコツめ。
こんな車高なのでサスも硬くトイレが近くなる事必至。
ドリンクホルダーゼロ。
アイドリングストップなし。
燃費はリッター2.5km/l。
段差が大きいと入れないし出られない。
ハンドル重い。
シフトレバーもクラッチも重い。
トナラー多い。
そして肝心の音だが、低回転で走っている限りあまり音は聞こえてこないのでサウンドによる快感もない。
低速時には全てにおいて魅力が乏しい。
ただただ、疲れる、、、。
街中を運転操作する自分を見て妻は肉体労働と言っていた。
街中でガヤルドを見れば
『街中をガヤルドで颯爽と走るなんていいな』
と思うかもしれない。
バカ言っちゃ困る。
颯爽となんてもんじゃない。
変速、発進のたびに
『フンガーーーーー!!!』
だ。
しかしそんなポンコ、、、いやガヤルドが最高に輝くステージがある。
高速道路は最強
エンジンが高回転型なので中高回転をキープして走る高速道路はまさに水を得た魚。どの速度域からも望んだだけの加速が得られるし、3~4速を中心に使って走ると
『クオォォォーーーー!!!!』
と誰もがスーパーカーにイメージする通りのキレイな高音を奏でる。
アドレナリンが出るサウンドだ。やはりスーパーカーはこうでなくちゃいかん。
そこからトンネルの前では無駄にギアを一段下げ、
『カーーーーーーン!!』
と1人モナコグランプリだ。
車自身がドゥカティのように
『飛ばせ飛ばせ!もっと飛ばせ!!!』
と言ってくる感じだ。
高速道路を快走しているときはギアもスコスコ入るし、アクセルレスポンスも良い。
スピードを出しているときはとても乗りやすい。
反対に低速で市街地を走っている時は辛い。
まとめ
同年式の車で比べた場合、フェラーリの方が車としての完成度が高い。
対してこの年式のランボルギーニは乗り手を選ぶようなところがある。
しばしばフェラーリからランボルギーニに行くと戻れなくなるという話を聞く。
ランボルギーニ特有の毒にやられてしまうのだろう。
オーナーになった今は気持ちがよくわかる。
滅茶苦茶わがままでポンコツなんだけど、ある面にだけズバ抜けて突出している存在。
帰ってきてガレージにしまった直後だが、右手が金属のシフトを求めている。
用途は限られるが、控えめに言って最高の車だ。