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アウディR8クーペV10パフォーマンス 2021 レビュー。

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大好きなアウディスーパースポーツ

 

現在自分の愛車はアウディQ8luxuryであり、アウディが体現するラグジュアリーの究極体験だとカタログにあった。そして今回乗るのはR8。アウディの培った走りの全てを凝縮したような車だ。ある意味対極な2台だが、アウディが誇るスポーツカーの集大成を体験してみた。

 

 

 

サイズの割には小さく見える

ボディサイズは全長×全幅×全高=4430×1940×1240mmで特に横幅はこれぞスーパーカーな幅広サイズなのだが、現車の前に立ってみるとサイズ表記よりも随分小さく見える。

例えばこれがランボルギーニガヤルドなんかになると、全幅は1900mmとこのR8よりも40mmも小さいのに、車体は随分と広く大きく見える。

 

ちなみにこのR8、純正のカーボンパーツがついているので段差の大きい所は注意しないと涙が出る出費を伴いそうだ。

 

全長が短いのは直線スピードよりもコーナリングスピードを重視した結果なのだろうか。

とにかくアウディが造る620馬力の5200cc V型10気筒エンジン。

これを前にして心が躍らない車好きは少ないのではないだろうか。f:id:Nob13:20220303084149j:image

アウディR8クーペV10パフォーマンス 5.2 FSIクワトロ

 

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4430×1940×1240mm
ホイールベース:2650mm
車重:1670kg
駆動方式:4WD
エンジン:5.2リッターV10 DOHC 40バルブ
トランスミッション:7段AT
最高出力:620PS(456kW)/8000rpm
最大トルク:580N・m(59.1kgf・m)/6600rpm
タイヤ:(前)245/30ZR20 90Y/(後)305/30ZR20 103Y
燃費:--km/リッター
価格:3076万円

 

過去のR8はスタンダードのクーペと更にパワーアップしたV10プラスが選べたものだが、今回日本に入ってくるのはこの最上級モデルのV10パフォーマンス一択だ。

始めからカーボンパーツやカーボンウィングなど装着されており、エンジンも620馬力のフルスペックバージョンだ。

 

そのせいもあり車両本体価格も3076万円と驚愕の値段。

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インテリアはアウディそのもの。

スーパーカー感はゼロ!

ただし、ナビすらも装着されていないインテリアはシンプルで潔い。

バーチャルコックピット内にのみナビは表示できる。

搭載されるモデルが違うのか、現在乗っているQ8のナビやバーチャルコックピットよりも、R8のバーチャルコックピットのドットの方が荒いように感じた。

 

ハンドルに付いた走行モード変更ボタン等ポルシェに親近感を覚えるハンドル。

この手のスーパースポーツにしては天井も高さがあるので、閉塞感は無い。足元も広くはないけれど普通。シートもガッツリレーシーに振ってある感じではなかった。f:id:Nob13:20220303084155j:image

ガラス越しに佇むV10エンジン。

エンジン周辺のパーツもカーボンが多用されている。

テールライト下のメッシュ部分からはマフラーが見える。ここが地味にレーシングカーを想起させて好き。
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コンフォートモードで市街地走行

シートに座りミラーを合わせ、エンジンをかける。

赤いプッシュスタートボタンを押すと爆発音のような音と、純正マフラーなのに”これ早朝に出発するとき苦情来るだろ!”というほどの豪快なエンジンサウンドが心臓の鼓動を早くする。

 

やはりこの手のスーパーカーはエンジン始動時の排気音は重要だ。

シンプルな話、エンジンがかかった瞬間の音質&音量でそのクルマに対する印象は変わる。その理由としてこれらの車のほぼ全ては趣味の車だからだ。

 

大音量で目覚めたR8だが、今どきの車らしく30秒くらいするとアイドリング音なんてほとんど聞こえないくらいに静かになった。

 

個人的にはずっとあの音量で良いのだが。

 

 

最初に断っておくと、今回は街乗りオンリーの試乗だからこの車の真の力や魅力なんてわかるはずない。

車の事がなんにもわからないような素人が、R8を街中でドライブするとどんな感想を持つのか程度の感じで流して読んで欲しい。

 

そろそろと街中に繰り出していく。

ドライブセレクトはコンフォートでオートマのドライブモードを選択。

一番街乗り用の優しい状態だ。

 

この手の車はみな共通なのだが、右後ろの視界はかなり悪いので(試乗車は左ハンドル)、合流時はそこを考慮して合流車線に対して停めないと本当に見えない。

 

見づらいとかじゃなくて、物理的に巨大な死角が存在する。

 

街中に出てドライブモードで走り出すと、車は軽々と速度をあげるものの、620馬力という数値から構えるほどの強烈なレスポンスは抑えられている。

アクセルの踏み込み量に対して、結構加速力が絞られる。

ただ、ある程度大きく踏み込めば望む加速は手に入る。

 

走り出して気になったのは、

①タイヤが大きいので当然だが、ロードノイズが結構な音量で車内に響き渡る事。

②街中で使用する3000回転以下のエンジン音が濁った不協和音で美しくない事。

③想像していたより遥かに足が硬い事。

 

快適性がもっと高いスーパースポーツカーだと思っていた。

ガチガチスポーツの兄弟車ウラカンがあるので、R8はもっと優しい普段使いも、、、という言い回しを良く聞いた。そこからイメージするほど優しい乗り味じゃなかった。

 

走ってる間中

『ゴォーーーーーー!!!!』

というロードノイズと、3000回転以下の

『ぎゅるぎゅぎゅぐおがるるるるーーーー!!!』

という不協和音サウンド、そして段差で

『ガタンゴトン!!』

 

という相当に賑やかな車内で、『日常使いも快適って何と比べたんだ??』というのが第一印象。

これは日本導入モデルが一番ハイパワーなV10パフォーマンスである事も大きな原因の1つだと思うのだが。

 

992のカレラSなんかと比べても、断然カレラSの方が日常性が高いと思えるほどR8は賑やかだ。

 

しかし街中の運転であっても視線がそこまで低い訳ではないので、運転のしづらさは感じない。

 

1が快適、10がスポーツとして、R8は3~5くらいのイメージを持っていたので面食らった。

実際は7~9くらいな感じだ。

 

 

 

ダイナミックモードでの走行

ダイナミックモードにするとバルブが開きエンジン音はより賑やかになる。

コンフォートモード時はしなかったシフトダウン時のブリッピングが盛大に行われ、街中の走行で選択すると特に停車時、シングルクラッチ並にシフトダウン時に前後に揺すられる。

 

開けた直線で高回転まで回してみると、回転数の上昇と共に音量がどんどん大きくなり、カミソリのような鋭いレスポンスに変わっていく。

そして上まで回した際にシフトチェンジすると一瞬でスパンと次のギアへ。

 

正にNAエンジンといったフラットに力が盛り上がっていくエンジン。

音量は大きくレーシーだが、官能性は無い。

 

やはりこの車は飛ばしてこそ真価を発揮する車だ。

このパワーを存分に発揮してサーキットを駆け抜ければ、それはもう素晴らしい時間になるだろうということは容易に想像できる。

 

総評

まずこのモンスターパワーの車を街中で、実力の1%以下を使って走っただけなのであれこれ言う事はできん。

しかしこれを自分で購入した際の使い方で考えると、この車でテンションが上がるのは主に以下の3つ。

①エンジン始動時

②高速走行時

③ガレージに停まっているR8を見る時

だと思う。

 

低速走行時にはドキドキもワクワクも無い。

例えば過去に横乗り含む乗った事があるフェラーリの348や360、ランボルギーニディアブロやムルシエラゴは街中をゆっくり運転していても高揚感がある。

ゆっくり走っているだけでワクワクするんだ。

R8にはそれが無い。

 

車に安定感があり落ち着きすぎているせいなのか、個人的な思い入れのせいかはわからない。

 

完璧主義のアウディが完璧に作りすぎてしまったが故に、感情が無くなってしまったかのような車に感じた。

 

レースやサーキットに頻繁に行くような人には最高にマッチする車に思えた。

 

自分の中でこのR8はスーパーカーと言うより、BMWのMモデル、AMGなんかの雰囲気に近い。つまり、ドキドキワクワクする車ではなく、日常的に使う車の延長にある感じで非日常感が少なめだ。

 

結局のところ間違いない事として言えるのは、自分はこの車が好きだという事である。f:id:Nob13:20220303084158j:image