小さくて何も見えん。
機械式時計の魅力の1つにシースルーバックになっているモデルはムーブメントが見える事にある。リュウズを巻いて手を離すと歯車が静かに動き出す。
じっと見てると何とも言えない不思議な気持ちになるのだ。
しかし、腕時計のサイズは4cmもない小さな物。キズミ(拡大鏡)を使って見ると、めくるめく機械式時計の魅惑の世界が広がっているのである。
6.7倍の高倍率キズミを購入
前回3.3倍のキズミを購入した。
銀座の時計店で使わせてもらって、美しい時計のムーブメントに感動したのだ。
自分でも欲しいと思って帰路についたが、しばらく忘れていた。
先日、キズミの存在を思い出して購入。
キズミは倍率が高ければ高いほど、視界が狭くなる。高倍率は大きくは見えるものの、視野の狭さに疲れてしまうそうなのだ。
だから、初めは3.3倍のものを買ったがやはりもう少しよく見たい。
そんな訳で購入したのが2倍の6.7倍のキズミ。
見た目は同じだが、今までの2倍以上の倍率で見ることが出来る。
機械式時計はそんなところまで、、、というところまで手が入っている。
しかし、ホントに小さくて肉眼では良く見えないため鑑賞にはキズミが必要である。
前回と同じベルジョンのキズミの高倍率版。
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BERGEON[ベルジョン] 時計修理工具 キズミ(ルーペ)BE4422 1.5(6.7倍) 正規輸入品
1と1/2。
6.7倍。
開封するとこんな感じ。
レンズが3.3倍の物よりも厚い。
シルクハットスタイル。
今回キズミで見るのはヴァシュロンコンスタンタンのシャンベラン。
時計とキズミのサイズ感はこんな感じ。
時計の直径は36mmだ。それではカメラのレンズ部分にあてて、どの位高倍率になるか見てみよう。
文字盤。
3時の位置とリュウズ。
リュウズ拡大。
6時の位置。
さて、次は魅惑のシースルーバック。裏側のムーブメント部分を見てみよう。
センターのこの部分を拡大して見る。
近づくとこんな様子。
宝石の世界みたいだ。紫色はルビー。
そしてこのローターの中心には文字が書き込んである!
35JEWELS。
1mm幅あるかないかのスペース。
次はここ。
ジュネーブシールがある。
肉眼ではほぼわからない。何か模様があるのは確認できる、、、といったところ。
ジュネーヴシール。
ジュネーヴという刻印と紋章。
接写で見ると宝石のようだ。
歯車もよーく見ると微妙にいびつな形になっているところもあり、手作りなんだなとわかる。
細かい作業を職人が手彫りで完成させるので、ものすごい金額になるのだそうだ。時計を芸術にまで昇華したのが雲上時計ではないだろうか。
とてもマニアックな時計接写画像だが、これらを見て興味を持ってくれる人が1人でもいれば嬉しい。ハマると無限にお金がかかる世界だが、、、。
車でも時計でも、機械で安定した品質で量産できるのに、このように人の手が入った物には惹かれる。神は細部に宿るという言葉もあるが、ほとんど見えないところにまでしっかり手が入っているのは流石だと思った。