”実質ゼロ”はゼロではない。
携帯のプランでも生命保険でも、いかがわしい契約についてまわる”実質ゼロ”という言葉。今回も『温室効果ガスの排出を実質ゼロとする政府目標の実現』などといかがわしい文章がハッキリと出ている。
さて、たまには毒を吐くか。
世界中のガソリン車販売禁止に続いてとりあえず言って見た
世界中の先進国がガソリン車販売を将来的に禁止する流れになっている。
内容は各国でそれぞれ違うのだが、税金の督促以外は全て遅い日本は、今まではっきりとこの種の内容は示さないままでいた。それがここになってようやく公式に発表が出てきた。
概要が以下だ。
政府は2030年代半ばに国内の新車販売を全てハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの電動車に切り替え、ガソリン車の販売を事実上禁止する目標を打ち出す。50年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出を実質ゼロとする政府目標の実現に向け、「ガソリン車販売ゼロ」に踏み込む。実現には、日本の自動車メーカーが強みを持つHVに加え、EVのさらなる普及が鍵を握る。
日本の19年の新車販売台数(乗用車)は約430万台で、このうち約6割(261万台)をガソリン車とディーゼル車が占める。HVは約3割で、より環境性能の高いEVは約0・5%にとどまる。ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせて走るHVについては、英国など販売禁止の対象とする国もあるが、日本ではトヨタなどHVを得意とする大手メーカーがあることから、政府はHVとEVを両輪として新たな環境規制を構築していく。
政府、2030年代半ばにガソリン車新車販売禁止へ 欧米中の動きに対抗
都合の悪いことは言わないのがお約束
まずは実質ゼロについて
具体的に実質ゼロの用法としてはこんなのがある。
『お前が俺に毎月5000円小遣い持ってきても、それでお前は俺たちと一緒に遊べるんだから、その5000円なんか実質ゼロ円だよな!!』
こんな時に使いやすい、どちらか片方に都合の良い言い回しが実質ゼロの正体である。
はたから見ればカツアゲされてるだけだが、する側はそう言っておけば収まりは良い。
つまり、ゼロにする!!ではなく実質ゼロにする!!
といった時点で、ゼロにはしない(出来ない)含みを持たせて、濁していると見て間違いない。
ハイブリッド車の立ち位置について
電気自動車の内訳にはハイブリッド車も含まれるのだという。
すみません、ハイブリッド車はガソリン入れて、それをメインの動力源として動くのですが、、、。
つまりガソリンのみで動く、モデルで言うといちばんエントリーグレードだけ新車販売禁止をするという事で良いのだろうか。
1アンペアでもハイブリッド要素を積んだV12エンジンもハイブリッド車という事で新車販売可能という理解であっていますか??
上記の分には以下のようにある。
”日本ではトヨタなどHVを得意とする大手メーカーがあることから、政府はHVとEVを両輪として新たな環境規制を構築していく。”
メガトン級の資本力を持つトヨタ様にヨイショしての内容であることはわかるのだが、トヨタ以外にも頑張っている自動車メーカーあるぞ。
実際マツダのデミオディーゼルなどはカタログ上の排出ガスの量まで知らないが、実燃費で30km/h近くたたき出す報告も多方面から聞いている。
これだけの技術を持つメーカーであれば、ディーゼルエンジンをさらに環境負荷の軽いものにすることも出来るだろう。
カタログ数値上の話でハイブリッドと電気自動車以外はダメというのは、
木を見て森を見ずと言わざるを得ないように見える。
ヨーロッパでは以前からハイブリッド車を作る際に必要なエネルギー量が、そもそもエコに反していると言われ続けている。
しかし、当然日本でこのような報道がされることは全くない。
今後もまずないだろう。
振り回される自動車メーカーも大変だろうが、自分自身に出来ることもさほどないため、大人しく見守るしかできないところが残念ではある。