センスは鍛えられる。
自分自身、特に色彩感覚については、ある程度の年齢まで最悪な部類であった。
今でもあまり変わっていないが、少しは気にするようになっている。しかし、センスの良い人と同じ時間を過ごすことにより、段々その感覚を学ぶことが出来る。
こうして新たな感覚で色を見ることが出来るようになった今、世の中はものすごいカラーリングで溢れていることが良く分かった。
幼少期の混沌カラー時代
日本の教育では、いまだにそうした”色彩感覚”について教えることはされていないのだろうか。少なくとも自分が大人になるまでは全くなかった。
小中高とジャージは紫だったり、真っ青だったり、真っ赤だったり。
そこに金色の太文字で名前が刺繍されていたり、違う色で背中には学校名の刺繍がされていたり、、、。
今思えば本当に酷い物を着せられていた。
近所の小学生や高校生を見ても、自分たちの子ども時代に全く引けを取らない、センスのかけらもないジャージを着せられて歩いている。
当時と状況は変わっていないのだろう。
色を揃えるとか、地域全体でそうした取り組みをしているところは全国的に見ても多くない。
長野の地元は軽井沢と同じで、自動販売機や消火栓も茶色に塗られ、町全体が統一感あるカラーリングになっていたが、大半の場所ではそんなことはない。
色に関してはもう、、、
フリーダムである。
勿論自由だからこそいい事もある。
しかし、色に関する教育を何も受けてこなかった人たちがフリーダムに家や看板を立てまくるので、自分が生まれ育った町に比べて今の生活ゾーンは景観が余計に汚く見えるのだ。
自分自身大学時代は緑+紫が複雑に絡み合った利権ジャージを強制購入させられていたのだが、今考えても人類史における最悪カラーのジャージの一つであったことは間違いない。
あれを着て学校外に出る事に比べれば、まだ下半身を露出して歩き回る方が恥ずかしくない。
全体での統一感を考えると仕上がりが美しい
こうした色彩感覚的には最悪な環境で育った自分は、当然そうした価値観が当たり前になってしまっていた。
茶色の本立てに緑のファイルが好きだから緑のファイルを置き、ピンクが可愛いからピンクのファイルも置く。色を変えた方が分かりやすいからと、違うものをファイリングするために買ったのは水色のファイル。
他には黄色のノートと黒い本もある。
こうして茶色の本立てには目がチカチカするようなファイルが並ぶ。
会わなくても、このファイルを買いそろえた人間がマヌケであることはわかってしまう状態だった。
しかし、幸運にも音楽をやっている芸術家肌の人の中に、そうした色彩感覚にも秀でた人がいた。そのうちの何人かに教えてもらうことにより、人並みの感覚まで取り戻すことが出来た。
話を聞いてみると、そうしたセンスの良い人たちの母親は
『この洋服に会うのはどっちの靴下??』
と、自然な親子の会話の中で教え、感性を磨かせていたという。
本当に素晴らしい事である。
昔の自分だったら、息子が出来たと仮定して
『股間が破れたジャージの穴隠しにワッペン貼るけど、”漢”ワッペンと”モザイク柄”ワッペンどっちがいい??』
とか、せいぜいそれが限界だったであろう。
ハウスメーカーでも細部を見ればわかるセンス
過去に家を建てたくて、いくつかハウスメーカーを見て回った時があった。
アンティーク調なキレイなお家を見に行った時の事だ。
モデルルームの玄関マットや、トイレのバスマットイメージとして置かれていたものはアニメのキャラクター物であった。
家を建てたいのは大人である。
アンティークなものが分かるのはある程度大人になってからだ。
大人が魅力を感じる家づくりを売りにしているのに、こんな物を置いてあるハウスメーカーでは、何を言っても的外れなものが提案されるだろうと確信した。
よって、即却下。
自分の家づくりの場合
直近で一番自分が関わったものはお家だ。
お家は妻と話し合いながらも、90%以上は自分の意向で作らせてもらっている。
床の色は勿論、階段や手すりの色まで細かく指定して作ってもらった。
有難い。
自分の頼んだ工務店はそうした細かな感覚に長けているので、意思疎通がしやすく、すごくやりやすかった。
カーテンは家が建つ前から全部屋赤カーテンで、カーテンをまとめるのは全て左側(両開き窓は除く)も決めていた。
赤いカーテンはオーダーメイド。
様々な素材の赤い生地を6~7種類送ってもらって決めたのだ。赤7種類から好みの赤を選んだ感じ。
自分がセンスがいいとは思ってはいない。今は勉強中!
でも、以前のカオスではない統一感を出すことは出来た。
妻の友人も完成後に遊びに来てくれて、『お洒落なカフェみたい』だと喜んでくれた。とても嬉しい。
この後、外構も出来上がる。
大きな物だから全体で統一感を持たせて、納得いくお家づくりをしていきたい。
センスは鍛えられる
以前はダメダメだった自分も少し気を付けるだけで、まとまりのあるお家や書棚を作れるようになった。今では服装や持ち物の色も気を付けるようになった。
今まで『この色には何色が合うかな??』
そんなこと考えて過ごすことがなかった。
それを今後購入する全ての物に少し気にかけるだけで、とてもスッキリキレイに見えるようになったのだ。
もっと勉強して素敵な家、服装に磨きをかけていきたい。