ごつい見た目の割にはあまり速くない。
何にせよハイパワーモデルや特別仕様というのは夢がある。ワクワクするのだ。
このJCWの名前が付いたミニ、見るからに速そうで乗る前から期待が高まる。しかし、実際に乗ってみると意外とあっさりした乗り味で拍子抜けしてしまった。
親会社がBMWと思えないほどデザインがカワイイ。
それが何よりミニの魅力ではないだろうか?
以前の純ミニ時代のデザインの方がいいという人もいるが、俺は今のデザインだって全然悪くないと思う。世の中には醜悪なデザインの車が溢れている。そんな中、こうした可愛い車が走っていると街が明るく見える。
MINI 3ドア ジョン・クーパー・ワークス(MINI F56 JCW)
全長:3,875mm
全幅(車幅):1,727mm
全高(車高):1414mm
ホイールベース:2,495mm
車両重量:AT:1295kg/MT:1280kg ※欧州値
駆動方式:FF(前輪駆動)
エンジン種類:直列4気筒MINIツインパワー・ターボ
最高出力:231ps(170kW)/5200~6000rpm
最大トルク:320Nm(350※)/1250~4800rpm※オーバーブースト時
トランスミッション:6速AT/6速MT
燃費JC08モード:AT:16.6km/L MT:14.8km/L
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
本体価格 AT:429万円 MT:412万円
ミニの素晴らしいのは、インテリアがミニのカワイイデザインをきちんと反映していることだ。ワーゲンのビートルなどは、見た目がカワイイのにインテリアは武骨だ。外装は可愛くてもインテリアはモロにBMWになってしまうのでは寂しいが、どうやらそうではないようだ。
スピードメーター、ナビ周辺、スイッチ類にウィンドウの操作スイッチ、ブレーキペダル一つとってもカワイイデザインになっているのだ。素晴らしい。
車内もミニスタイルのインテリアで統一。素敵!ほぼ全てのパーツが丸基調。
エクステリアのフロントリアは、ごついエアロやリアウィング等、走りの良さを期待させるパーツが付いているが、基本はかわいい系。
市街地走行
乗り込んでエンジンをかける。
元気な4気筒エンジンサウンドが響く。ただ、そこまで爆音ではない。『おぉ、元気な音だなぁ』くらいの音量だ。視界は広く見やすい。
街中へとソロソロと繰り出す。
スポーツモデルということで構えていたが、思ったより普通。車内は静かだしサスの突き上げも少ない。通常のミニと大して変わらないでは、ってくらいである。
アクセルやブレーキのフィーリングも普通。
ただし気になったことが2つ。
ロードノイズが結構入ってくるし、停車時には周りの騒音も車内に入ってくる。車内の静粛性はあまり高くない。これは通常のクーパーに乗った時も思った。
もう一つは軋み音。
これは個体差なのかもしれないが、後ろの方でギシギシ、ミシミシいう音が聞こえてくる。何が鳴っているのか分からないけれど、気になる。
それ以外は街中で走っている限りは問題なし。
高速走行
高速道路ではスポーツモードに変更する。
パドルを使ってシフトダウンするとボロボロと音が聞こえてくる。
スポーツモードでも快適性は損なわれず、今までのコンフォートモード(エコモード?)と同じ感じ。ただ、アクセルのレスポンスが明らかに良くなり、運転していて楽しい。
小さくて軽めの車体と相まって軽快に走る。
やはりスポーツモデルは高速走行が楽しい。
加速チェック
開けた道で低回転から加速チェックをする。
3速まで落としそこから元気に加速。231馬力なので速くはないけれど、まさしく軽快に走る。これなら同乗者もそう恐怖を感じることがなく、乗っていられるのではないだろうか。
今回は試せていないが、加減速の多いワインディングなんかに持ち込むのが一番魅力を発揮しそうなエンジンである。
総評
個人的に1がコンフォート、10がスポーツとした場合、この車は⑤。
普段の足にも問題なく使えるし、週末ワインディングに連れ出しても良いだろう。
バランスマシンだ。
逆にごついエアロやリアウィングから、もっと過激な走りをすると予想していたので拍子抜けしてしまった。
パワーがある車は怖いけれど、JCWは憧れるという人には安心してほしい。
通常のミニと何ら変わらず乗ることができる。
その面では最高だが、このミニにスポーツを求めると少々物足りなさも覚えてしまった。