マジマジと見ているとネコ科のお顔に見えてくる不思議。
ジャガーで気になる車は何といってもFタイプだ。
控えめでありながらもキレイなボディラインが美しい。まさに停まっているのも絵になる車だが、今日乗るのはそんなジャガーが出した2種類のSUVの大きい方、Fペースだ。
ランドローバーのヴェラールともプラットフォームは共有しており、それぞれの味付けがなされているそう。
さて大SUVブームが世界的兆候ではあるが、日本国内に限って言えば大ミニバンブームである。右も左もミニバンだらけで、ミニバンを見ない日はない。
さて以前Eペースに乗ったが、スポーティーな走りが気持ちよくコスパがかなり高い車だと書いた気がする。
それ以来、あまり興味がなかったジャガーに好印象を抱いているがこのビッグなFペースはどうだろうか。
ジャガーFペース 20d
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4731×1936×1652mm
ホイールベース:2874mm
車重:1775kg
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:180ps(132kW)/4000rpm
最大トルク:43.8kgm(430Nm)/1750-2500rpm
タイヤ:(前)255/50R20 109W/(後)255/50R20 109W(ピレリPゼロ)
全長も全幅も大きく背も高い。それなので、運転席に乗るととても大きな車に乗っている気がする。フロントボンネットは両端が下がっているので、アメリカンマッスルカーにでも乗っているような視界だ。
液晶はフルデジタルで、走行モードによって色が変わる。スポーツモードにすると赤。
車内は仕立てが良く高級感がある。(実際高いが)
レザーシートも肌触りがよい。
大ぶりなシートで長時間座っていても疲れは少なそうだ。
後席も足元も十分な広さがあり、これはボディが大きい車ならでは。
街中走行
エンジンをかける。
『ギュイーン、、、。』という金属的なうなりと共に始動。ディーゼルエンジンだが、室内での振動はまぁまぁある。マツダのスカイアクティヴほどは洗練されていない印象。
大きな車を動かして街中へと出る。
出足は普通で、特段力があるとか非力だとかはない。ごく平凡。
ただし、気になることが一つ。
音が金属的なエンジン音で車内に響くのだが、これがそんなにいい音ではないので聞いていていまいち気持ちよくない。そして、トルコン8ATだと思われるが、低速での変速が遅い。室内に音が良く響く(響かせている)からこそ余計に変速の遅さが目立つ。
『ギュィーーン。、、、。ギュィーーン。、、、。ギュィーーン。』
こんな感じでBMW等のディーゼルのように軽々走り出すわけではないので、重さを感じてしまう。
そしてコンフォートモードでも足はやや硬め。
路面の悪いところではゴツゴツと車内が揺れる。スポーティー志向の車作りだからだろうか。ハンドリングは素直で何も問題なし。
加速チェック
開けた道に来たのでスポーツモードに変更し、加速力をチェックする。
まず、スポーツモードに変更した瞬間パワーの出方が全然違う。
2000回転近くなると巨大な車体をグイグイと前に押し出す。1800回転くらいからそんな感じになったと記憶しているので、毎回上まで引っ張っているような印象はない。
全然違う走り!
これがいいよ!
マカンやアバルト124スパイダーのようにスポーツモード常時オンを規定で使うのが良し。
パドルを使用し、直線で低回転から踏み込む。
車体をグングン前に押し出し、このサイズと2000ccという排気量からすれば十分な加速。それに、高回転時のシフトチェンジはスパンと速くて気持ちよい。
スポーツカーのような走り、、、というのは嘘である。
それは盛りすぎ。
この排気量とサイズでは過不足ない走りというのが正しい。
全開加速時でなくても、スポーツモードにしておくと快速な走りになるので、その後はずっとスポーツモードに。
総評
SUVブームもありライバルはマジでたくさんいる。
そんな中、この車を勧める絶対的な理由はこれと言って見当たらない。
ジャガーが好きでこの車の事が好きであれば全く問題ない。
ただ、俺がこの価格帯のSUVを選ぶのであるなら他の車へ行ってしまう。
その理由は金属的なエンジン音を聞かせてくれるが、その音が好きではないのとヘッドライトの形が好きでないこと、低回転時のシフトチェンジがモッサリしていることが理由だ。
ただし、そこは好みの問題だし乗り手によって良くも悪くもなるのだろう。