何かの記事にセレナは日本のゴルフと書いてあったが。
さて日本で大人気のミニバンセレナ。
俺は今は子どももいないし、日常的に多人数乗車することがないので、車は最大5人乗りで十分。それなのでミニバンには全く興味はないのだが、今回乗るセレナは一体どんな走りをするのか、スポーツカー好き目線で好き勝手に書き綴る。
ミニバン大国ニッポン
日本は本当にびっくりミニバン大国だ。
うちの周りなどは閑静な住宅街なので、交差点に10分も立っていればミニバンを5,000台は見るのではないかという交通量だ。走っている車はほぼすべて長方形、目を細めてみると大きな魚を入れる発泡スチロールのようなものが大量に行き交っている。
それだけ人気ということは、それだけの人気を裏付ける魅力があるからに他ならない。
俺の極めて偏った自動車モノサシでどこまで計れるかは謎だが。
日産 セレナ
寸法: 全長 4,685 mm x 全幅 1,695 mm x 全高 1,865-1,875 mm
最大出力: 112 kW
エンジン: 2.0 L 直列4気筒
車両重量: 1,650 ~ 1,750 kg
燃料タンク容量: 55 L
価格: 257.6万円〜
今回は2日間借りたので、日常的なシチュエーションで使うことができ、車の事がよくわかった。まぁ何というか、日本の奥様がいい!という意見を取り入れて作られた車なのだろう。まず外観だが、長くて横幅が狭くて背が高い。
『走り』という目線で考えたとき、もはや走る前から”死んだも同然”な形をしている。
走行安定性はもとより、こんなに細長いのでは強い横風や側突で一撃で横転するだろう。
横から見たデザインは酷い。
後ろからも壊滅的なかっこ悪さだ。
ハンドルはD形で意外と遊びが少ない。そしてガラス面積が大きく、視界が広い!
ペラペラの薄さのドア。平均的なドイツ車のドア厚の半分か、半分以下しかない。
ペダル類。
先の長いドレスシューズを履くと、上の部分につま先が引っ掛かりアクセルやブレーキ操作が遅れることがある。これは危ない。俺は靴が引っ掛かってアクセルを戻し遅れてしまい、ヒヤッとしたことが2回あったので、足元はとても気を付けて運転していた。
後席。
足元は広い。
ハンドルの操作ボタンだがクリック感は100均レベルで、スイッチの隙間も大きい。
街中走行
エンジンをかけて動かす。
Sハイブリッドという、ちっこいハイブリッドが搭載されている模様。
動き出してすぐ感じたのが車体の強烈な不安定感。
路面が悪いところを通るとグワングワンと揺れ、乗り始めて5分で車酔いした。
例えば子どもや家族が車で酔いやすい、と悩んでいる方。
それは三半規管のせいではなく車のせいかもしれない。
周りでもバスやミニバンだと酔うけど、コンパクトカーに乗っていると山道を走っても酔わないという人もいた。
これらの事からもわかるが、セレナは横揺れが大きく乗り心地は悪い。
運転席で自分で運転していてこれだから、車両後方の席になんて座ったら、きつ過ぎると思う。
ハンドリングは遊びが少なく運転しやすいが、如何せん右左折時に左右に振られる。
乗員を載せて軽快に走ることは不可能で、ゆっくりモッサリ走ることしか出来ない。
加速チェック
高速の合流車線や登坂車線等、パワーを出さねばならないときは男だけでなく、車にもおとずれる。そのためにマックスパワーを知っておくことは重要だ。
平らな直線でアクセル全開。
ギュイーン!!!!ヌゥゥゥウァァアァァ~!
ハイブリッドの電気的な音と、CVTトランスミッションとエンジンが大合唱する。
そして左右にグラグラと揺れながら加速していくが、これがおっそい!
ブレーキもかなり甘いので飛ばしすぎ注意だ。(飛ばせないが)
パワーはほんとにないので、ゆっくり走るのみに使うのが吉。
総評
やはり想像した通り、走行性能はかなり厳しい。これに乗って運転が楽しいと感じることはあり得ないし、安定感のある車から乗り換えるとその不安定さは恐怖ですらある。
アクセルを離したときやブレーキを踏んだ時の回生サウンドの『ピー、、、』と車内に響く電子音も煩くて不快。
安全性も低いのが乗って触れただけでわかるが、その中でもほめるところが②つある。
全開時はうなるが、それでもトヨタ製CVT&エンジンほどの煩さはない。静かに加速する。
②アイドリングストップからエンジンがかかる時がスムーズで振動が少ない。
頻繁にアイドリングストップするようなシチュエーションでも気にならないほど、うまく躾けられている。
カタログ燃費は16.6kmとかその位だったと思うが、実燃費はこれだ。
全開加速はせず街中を法定速度のみで使用。
7~8km。
燃費が悪く、走りが悪く、見た目も悪い。
ただし多くの人員と荷物が乗り、ドリンクホルダーも多い。おまけにスライドドアだ。
俺には不要な要素のオンパレードだが、これを必要としている人も大勢いるということなのだろう。