世の中はリサイクルマークのようにぐるぐる回る仕組みになっているようだ。
便利なプラスチック製品。これらのゴミを魚が食べてその魚を人間が食べている。
道端にポイっと捨てたプラごみは、回りまわって自分の体内に取り込まれてしまうというのだ。
歯磨き粉や化粧品、洗顔用品にある『スクラブ入り』というあの文言。多くはプラスチック製品であり、我々が行う日常的な生活習慣の排水から河川や下水を通じ、海に流れ込んでいるのだ。それらのマイクロプラスチックは自然で分解されないため、自然界に溜まる一方。
以下にNEUTで紹介されている記事を一部引用する。
ベルギーのゲント大学の研究によると、魚介類を食べるヨーロッパ人は年間に1100個ものマイクロプラスチックを食べているそうだ。(参照元:Sky News)世界の魚介類消費量を見ると、ヨーロッパ諸国ではアイスランドとポルトガル以外の国は日本よりも消費量が少ない。(参照元:TRIPGRAPHICS)
また、ヨーロッパの自然環境のプラスチック汚染が世界平均を大きく下回るのと異なり、プラスチックゴミを自然環境に世界平均の27倍も出している日本ではヨーロッパ諸国よりもさらに多いマイクロプラスチックが魚の体内に入り、人間の口から取り込まれているのだと考えられる。(参照元:DG Environment News Alart Service, The Japan Times)
NEUT
何という恐ろしい話。
ヨーロッパ人が年間1100個ものマイクロプラスチックを魚介類から食べているそう。しかし、世界平均の27倍ものプラスチックゴミを出している日本はそれらの国よりも圧倒的に魚介の消費量が多い。
最近は保育園でもアレルギーの子どもが多い。昔に比べて多いなんてもんじゃないくらいの数に膨らんでいる。こうしたマイクロプラスチックを体内に取り込んだことによる悪影響もあるのだろうか。
先日沖縄に行った際も海のキレイさに感動したが、こうしたきれいな海もプラスチックをはじめ、多くのゴミで汚染され続けていることを忘れてはならない。
マイクロビーズを製品に使用することはアメリカやイギリス、ニュージーランドなどでは法律で禁止されているそうだ。しかし、日本では何の規制もされていない。
よってこれ以上プラゴミを出さないためには各自が気を付けてプラごみを捨てない、流さない、スクラブ入りの製品を使わないようにすることが必要だ。
海好き、魚好きとしてもこれは気を付けていかなくてはならない。
ずーっと昔に、星新一のぼっこちゃん(新潮文庫)にある『おーい、出てこい』という話を読んだことがある。
ストーリーの概要はこうだ。
台風が去って村に直径1メートルくらいの穴が開いた。穴は地球の中心まで突き抜けているくらい深く暗い。
『おーい、出てこい』
若者は穴に向かって叫んだが何の反響もなかった。その後、彼は小石を投げ込んだ。しかし、底からは何の反響もなかった。
学者たちも少なくとも5000メートルはあるので原子炉のカスなどを捨てるには最適だと言い、原子炉のカス、伝染病の実験に使われた動物の死体、浮浪者の死体、都会の汚物等何でも穴に捨てた。
穴は都会の汚れを洗い流してくれ、海や空がいくらか澄んできたように見えた。
ある日、建築中のビルの高い鉄骨の上で一仕事を終えた作業員が、頭の上で
『おーい、出てこい』
と叫ぶ声をきいた。
彼は気のせいかなと思って元の姿勢に戻った時、声がした方角から小さな石ころが彼をかすめて落ちていった。
こんなお話だ。
これが現実に起こっている。
毎年の異常気象もしかり、自分たちにできることは気を付けていかないとね。