最新の車なのに80年代の車のようだ。
もともと速い車が好きな俺はジムニーファンではない。ジムニーもパジェロもラングラーもGクラスも全部同じに見え、区別がつくようになったのは比較的最近の事だ。そんなジムニーの素人から見る、最新のジムニーの良さと悪さについて遠慮なく書き綴っていく。
実は割と最近にジムニーの記事は書いている。5MTのモデルだが、基本的なことは全部同じだと思うので、被る内容もあるかもしれない。しかし、2度目だからこそ、1度目では気づけなかった発見もある。
外見は文句なしにかわいい。
スズキの車は全体的にそうだ。ハスラーも涙目だし、ラパンもジムニーもみんな丸目で可愛い。ギラギラメッキ調の車が多い中、こうした車が走ってくると気持ちも明るくなる。
ジムニーの周りを一周ぐるっと周ってみたが、車体も軽自動車とは思えないほど立派でどの角度から見ても可愛い。乗らなくても庭に置いてあったら、それだけで和むようなデザインだ。素晴らしい。
スズキ ジムニーXC
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1725mm
ホイールベース:2250mm
車重:1030kg
駆動方式:4WD
エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:4AT
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:96Nm(9.8kgm)/3500rpm
タイヤ:(前)175/80R16 91S/(後)175/80R16 91S
燃費:13.2km/リッター(WLTCモード)
価格:184万1400円
外装はバッチリの可愛さで中身はシンプル。無駄に変な飾りとか付いていないところが良い。黒で統一されている。
後ろは狭い狭いと言われているが、TTやBRZよりは普通に乗れそう。
街乗り
エンジンを始動しスタートする。
ミラーは四角くて大きいので見やすい。目の前に広がる平らなボンネットがジムニーを運転している実感を持たせてくれる。
ドライブモードに入れるときのギアレバーの動きは固くて重く、『ゴクゴクゴク』とドライブモードへ動く。今どこのギアに入っているのか、メーターの表示を見ないと分かりづらい。
街中へ出てすぐに気になったのがハンドリング。
めっちゃ悪い。
ハンドルの動きに対して遅れてタイヤが向きを変えるような感じ。
交差点で直角に曲がるようなときに、思ったよりハンドルの回転量に対して車が向きを変えないのでもう少し回す。そうすると今度は曲がりすぎてしまい、曲がった後縁石に当たりそうな角度になってしまう。
それで慌てて反対側に切って、まっすぐに修正するということが2度ほどあった。
そのあとは注意して交差点の操作をしたので同じことは起こらなかったが、まっすぐ走っているだけでも左右にフラフラする感じは常にある。
山間部走行のセッティングに合わせてあるためか、元々そうなのかわからないがジムニーのこのハンドリングはとても悪い。
加速チェック
開けた道で加速をチェックする。
5MTのジムニーに乗った時も信じられない遅さだったが、今回の4ATはそこも考えての『4段ギア』なのだろうか。
アクセルを強く踏み込んでいくが、やはりとんでもない遅さだ。
うちの近所で走り回ってるネコの方が速い。
高速道路などを2人以上で走ったら、100km/hまで達するのか心配になってしまう。
総評
車で山遊びしたことがないので、”山で使う性能””というものは俺にはわからない世界だ。それなので、その道の人から言わせれば『いや、オフロードを重視する場合はオンロードと違って、こうでなくちゃならないんだよ!』となるのかもしれない。
でも、中には俺みたいに見た目が大好きで、汚れるのが嫌だから、ジムニーをオンロード専用で使う人だっているはずだ。そんなオンロードメインの視点で見るとこのジムニー、走行性能が低すぎる。
尋常じゃなく力不足だしハンドリングもぐにゃぐにゃ。
中も狭いし燃費も悪い。
だけど、可愛いのだ。
このジムニーが庭に置いてあるだけで笑顔になれるし、何となく自分の車の様子が気になる、、、そんな子犬みたいな車だ。そういう面ではフィアットの500っぽい感じなんだろうな、と思う。
他に同価格で高性能な車はいくらでもある。しかし、このジムニーは性能は関係なく今までも、そしてこれからも、みんなの【欲しい車】なのだろうなと思う。
それが証拠として、納期が1年半から2年待ちというのが物語っている。