頭が悪くても世の中が公平ではないことくらいはわかる。
さて本日より消費税が10%にアップする。
わずか2%ではあるが賃金があまり増えないのに、消費する金額ばかり上がっていくのはなかなか辛いものがある。しかし、この消費税アップが有効活用されるのであれば、増税が何もかも悪いというわけではない。しかし、物事は多角的に見ないと全体像が見えてこないもの。別アングルで見た結果、どうも様子が違いそうだ。
国民や中小企業は増税によりさらに負担が大きくなっていく一方で、トヨタなどの輸出大企業は消費税を一円も納めていないのに、莫大な還付金を受け取っている実態が明らかになったようだ。
これについて元静岡大学教授の湖東京至税理士が解説していた。
湖東税理士によると、消費税の仕組みで一番不公平なのは輸出大企業に対する還付金制度だそうだ。自分のような中小零細企業はたとえ赤字であっても消費税を納めなくてはならないのに、トヨタ自動車等の輸出大企業は消費税導入以来、一度も消費税を納めたことがないのだという。
それどころか毎年、毎月、消費税の還付金が税務署から振り込まれてくるのだ。
以下の図は湖東税理士が最新の決算書等により推計計算したもの。
湖東税理士は表について以下のように説明している。
消費税収の25%
国税庁統計年報書によれば、還付額は消費税の税収全体のおよそ25%、つまり業者の皆さんが納めた消費税のうち4分の1はトヨタなどの大企業に支払われ、残りの75%が国の税収というわけです。
私は毎年、輸出大企業(製造業)の還付金を推計計算してきました。最新の各社の決算に基づく還付金は表1のとおりです。表に上げた13社だけで約1兆円の還付金になります。
輸出大企業を管内に抱える税務署は消費税の税収より還付金が多いため、消費税の税収が赤字になっているところがあります。赤字税務署を赤字額の多い順に示したのが表2です。第1位はやはりトヨタ自動車のある愛知県豊田税務署です。赤字税務署の常連は毎年同じ顔触れです。
還付金額は税務署も発表しませんし各社も公表しませんので、私の推計計算によるものです。ですから必ずしも正確な還付金額ではありません。ただし、赤字税務署の還付金額は国税局が発表したものですから、いわば動かぬ証拠といえましょう。赤字になっていない税務署でも東京の麹町税務署や蒲田税務署、麻布税務署、静岡の磐田税務署、名古屋中村税務署などは輸出大企業の本社があり、還付金額も膨大な額に上りますが、納税する中小企業がたくさんあるため、たまたま赤字にはなっていません。これらは赤字予備軍の税務署です。
湖東京至税理士(元静岡大学教授)
全国商工新聞 第3335号11月5日付
全商連ホームページより一部抜粋
なんとも。
これに関しては還付される側の事情はわからないので、物事を一方的に押し付けて決めるのは気が早い。それにしても、こんな事実があると、国や政治というのは”強いものに弱く、弱いものに強い”姿勢は昔から変わらんなぁ、と思うのだ。
下請けや仕入れ先に支払った代金に消費税が含まれているのを税務署に収めたものとして還付を受けているのだそう。湖東税理士曰く横領だと。
今後は税率が上がるほど還付金額は増えるので、輸出大企業は早くヨーロッパ並みの20%にするように主張しているんだってさ。
それにしても、推定だが3506億円も消費税の還付を受け取っておいて、この程度の車しか開発できないのも非常に切ない。
この莫大な還付金も、高額な車両販売価格もほとんど自動車つくりに反映していないように見えるが、一体どこへ行ってしまうのでしょうね。
※参考 全商連ホームページ