走る化石。
軽自動車の運転など何年ぶりだろうか。
車に興味を持ってしまって以来、調べたり購入の候補になる車は2,000cc、3,000cc、4,000ccの車~ばっかり。如何に速く、美しく、官能的なサウンドを発生させるか、という観点でしか車を見ていないため、エンジン出力をはじめ、様々な縛りがある軽自動車に興味が向くことはなかったのだ。
本日はジムニー。
何年か前にモデルチェンジするとか、その駆け込みとかでちょっと話題になっていた気がする。ジムニーに対する知識はそれが全て。実車を前にしてみて思ったのが
・結構大きい
・可愛い
の2点である。このベージュというかアイボリーチックなカラーが余計に可愛さを際立たせていて、可愛いもの好きとしてはなかなか琴線に触れる。まんまるオメメもキュートである。レトロな感じがして好きだなー。
スズキ・ジムニーXC
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1725mm
ホイールベース:2250mm
車重:1030kg
駆動方式:4WD
エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:5MT
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:96Nm(9.8kgm)/3500rpm
タイヤ:(前)175/80R16 91S/(後)175/80R16 91S
燃費:16.2km/リッター(WLTCモード)
価格:174万4200円
軽い車体に64馬力のパワー。トルクが9.8kgmとか、どんなもんか全くイメージがわかない。数字が小さくてバイクの馬力みたいだ。でも、車体も軽いし、ターボエンジンなので問題ないのだろう。
最上級モデルのようだが、室内はシンプルできれいにまとまっている。特に安っぽい感じもしない。山に行く車というか、男っぽいイメージの内装。
今まで運転したことがあるマニュアルシフトレバーの中でダントツ長い。俺が好んで運転したのはスポーツカーばっかりだからな。ジムニーはトラックっぽい。
エンジンをかけて乗り込む。
結構フロアが高いのでヨイショ、という感じでまさに乗り込むという言葉が相応しい。
後部席は座ってはいないが、アウディのTTや、フェラーリのカリフォルニアに比べれば、後ろに人も充分乗れそう(に見える)スペースがある。
↓ムルシエラゴ 運転席周り。
柔らかいクラッチを踏み込み発進!!
なんか思ったよりもしなやかに走る印象。
もっとこう
ゴツゴツっ!!
って来ると予想していたのだけれど。
排気量は660ccしかないので発進時は丁寧に。しかし、一旦動き出してしまえば後は何も問題ない。視界は広いし、全然乗り心地も悪くない。普通だ。
ただ、ハンドルの応答性は相当悪いな!!
悪路使用なのか??
左右10cmくらいは全部遊びなんじゃないかってくらい、操作に対して反応が2テンポくらい遅れる。
だが、スピードを出さず、のんびりと走る分には特に問題ない。
ハンドリングがダルダルでエンジンパワーも驚くほど無い。だけど、目線は高く視界も広い。何より目の前に広がる、平らなボンネットがジムニーを運転しているぞ、という気持ちになり楽しい。
それに、割と大きい車を運転しているような気持ち。
発進して1速→2速へ。
クラッチ踏んでガッコンと3速へ、またアクセルを踏んで、、、こんな一連の基本操作が楽しい。普通にシフトアップしてトップギアまでいっても時速45km/hくらいだ。
パワーはないがブレーキは普通に効く。
加速力チェック
全然期待できないけれど、高速道路に乗る可能性も踏まえ全開加速を試してみた。
が!
自転車より遅い。
よく、車の速さの指標で停止から時速100km/hまでの加速が何秒か、というものがある。このジムニー、そこまで試していないが、
100km/h出るのか、、、?
そんなレベルだ。それほどまでに遅い。
後で調べたら某サイトでは0-100km/h加速18秒と書いてあった。
この世にそんなに遅い車が存在したとは。
総評
昔から愛されている車は、モデルチェンジする度に魅力を失っていく車がほとんどだ。
そんな中、このジムニーは見た目も可愛いし、街中を40kmで走行しているだけで楽しい。遠くからでも一目見てジムニーとわかるデザインだ。
運転すると軽トラの乗り味に似ている気がするが、以前ベントレーとガヤルド所有のオーナーにも聞いた事がある。
答えは稲刈りの時に使う軽トラだそうだ。
軽トラが一番運転している感があると。
結局足るを知るという事はそういうことなのだろう。
ジムニーが今でも愛されているのは根源的な自動車の面白さではないかと思う。
加速力はネコよりも遅いが、そんなところも愛おしいのである。