小さいポルシェ。
ゴルフは昔から多くの自動車メーカーにとっての指標でもある。
フォルクスワーゲンを代表する名車の一つであるが、その最新のGTIに乗ることが出来た。GTIというのはGrand Touring Injection(グランドツーリングインジェクション)の略で、ワーゲンが1976年以来、歴代スポーティーモデルだけに与えている名称だという。
見た目がおとなしく(地味)、エンジンはパワーのある車というのは玄人ウケするモデルに見える。しかし、自分自身も年齢を重ねてくると、玄人ではないが、このような車の存在意義がよくわかってくるようになった。以前は1000万円以上するセダンを買う人は、お金の無駄ではないか?同じ金額で誰が見てもカッコよくて目立つスーパーカーがあるのに、と思っていた。
だが、赤や黄色の爆音で目立つことだけが良い車ではないのだ。
例えば仕事上、派手な車には乗れないが乗ってる本人の右足はしっかり満足させられる車、それがまさにこれらのホットハッチではなかろうか。
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4275×1800×1470mm
ホイールベース:2635mm
車重:1380kg
駆動方式:FF
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:6段DCT
最高出力:230ps(169kW)/4700-6200rpm
最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1500-4600rpm
タイヤ:(前)225/40R18 92Y/(後)225/40R18 92Y(
燃費:14.6km/リッター(JC08モード)
価格:399万9000円
インテリアは伝統的なタータンチェック柄。このデザインは大好きだ。お洒落でかわいいし、ファブリックシートなのも良い。俺は暑がりなのでレザーシートは好きではない。ただ、布地シートの欠点もあって自分のA3がそうなのだが、布地の肘掛に日焼け止めを塗った腕を置いておくと白く残る。飲み物をこぼすと染み込んで跡がつく等。一長一短だ。
インテリアはシンプル、というか質素という言葉の方がしっくり来る。必要なモノ以外何もない。高級感とかは特になし。
さてエンジンをかけてみよう。
元気なエンジン音が聞こえて来る。普通のゴルフとは違うぜ!的なサウンドだ。ファストアイドルが終わると随分静かになる。
車は元のゴルフが良いだけに、このGTIも磐石の乗り味。
ラフに運転したところで、どうにかなってしまいそうな気配が微塵もない。
アクセル、ブレーキのレスポンスも良く運転していて気持ちよい。車内も静かだが、アクセルに力を込めると即座に心地よい加速とサウンドが響いてくる。
全体的にはやや硬めな乗り味だが、日常的な扱いで問題になるかと言われればまずならないだろう。
スポーツモードに切り替える。
ドライブモードでは低いギアで高回転まで引っ張るようになり、なかなかシフトアップしようとしない。
それにスポーツモードにしたら少し音が大きくなったような気がするし、シフトダウン後、マフラーからもボロボロ聞こえてくるようになる。
このスポーツ走行する際の気持ちを高めてくれる演出は素晴らしい。
開けた直線でパドルを使って加速力をチェックする。
非常に素晴らしい。適度に速く、パドル操作に対する変速速度も問題なし。3~4年前のモデルでは、パドルを引いてからギアが変わるまでに明らかにタイムラグがあった。
シフトチェンジ自体は確かに速いのだが、パドル操作に対して反応速度が悪いので興ざめしてしまう。
今回乗ったゴルフGTIではそんなことは無かったので心配不要。
マニュアルでなくても充分楽しめる。
それに強めにブレーキングしてもしっかりと減速してくれる。このブレーキがあるからこそ、安心してアクセルを踏めるというものだ。
総評
ゴルフGTI、非常に素晴らしい。
スポーツ走行も楽しめるし、普通に普段のお買い物や通勤通学にも使える。人も荷物も乗り、これだけ快適に走れる車は世の中広しとはいえ、そうはないはずだ。
ポルシェが万能な勇者とすればゴルフは勇者の子どもだ。
多くの人に愛され続けている理由がよくわかる。