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BMW Z4 sDrive20i 2019 Sport レビュー。

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オールマイティなラグジュアリーなオープンスポーツ。

 

話題のBMWの新型Z4に乗ることができた。

乗る機会は何度かあったものの、個人的にはなかなか食指が動かず体験するには至らなかったZ4。やはりBMWはMモデルを目の前にすると、あのエンジン音とパワーにやられてしまい、ついそっちに流れていってしまうのだ。

 

 

 

 

 

しきりにトヨタがZ4とは根本的に異なる、と喧伝しているスープラの兄弟車でもある。スープラの性能はZ4と同じで多少違う程度ではないかと思うが、向こうは陰毛のようなデザインだ。やはりデザインの美しさから性能に至るまでドイツ勢は強いなと、各社の車を乗り比べてみて思う。

 

そして今回Z4はハードトップではなくソフトトップの採用となった。

開閉は早く、本当に10秒くらいだ。しかも、最後に手動でガチャンとロックするような無粋な作業も必要ない。いやはや便利。
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車両スペックは以下の通り。

全長 4335mm

全幅 1865mm

全高 1305mm

車両重量 1490kg

車両総重量 1600kg

直列4気筒ターボ

排気量 1998cc

馬力 197ps

トルク 32.6kgm

トランスミッション 電子油圧制御式8速AT

615万円

 

こうして数値だけ見ると特筆すべきものがない。

サイズは結構大きくなって、もはや視覚的にはM2よりも大きいのではないかと思うサイズ。

車重も全くライトウェイトではない。

馬力もトルクもそんなに目を見張る数値ではないので、それらが原因で魅力を感じなかったのは正直事実だ。

 

しかし、車は数値で語れない。

フェラーリの400馬力などはドイツ車の280馬力くらいしかないし、その逆もまたしかり。運転していて楽しいという感覚は数値では表せないものだ。

 

まずは車を一周見てみる。
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スピードメーターは8シリーズと同じ感じ。

見慣れてないせいだと思うけれど、タコメーターの回転数を瞬時に読み取りづらい。
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インテリアは今時のBMW

虚飾のないデザインは好感が持てる。
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厚いドアはスポーツカーの証。

車高は低くないので乗り降りしやすいし、視界も全く悪くない。
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このボタンを上か下かに長押しするだけで、電動で屋根が開閉する。走行中も可能だそう。
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トランクはオープンカーとすれば充分な広さ。(クローズ時)
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さて動かしてみよう。

 

スタートはオープンにしてコンフォートモードで。

走り出すと突き上げもないし静かだし、まぁ上品な乗り味。

コンフォートモードで走る限り割合的にはラグジュアリー9:スポーツ1くらいな感じ。

 

スポーツカーなので車内は物理的な広さはない。そういう面では窮屈ではある。特に足元とかね。

でも、これよりもっと巨大なボディを持つムルシエラゴ以前のランボルギーニや、F355以前のフェラーリのようにお姉さん座りしないと乗れないような足元の狭さではないから、このくらいで狭いとか文句はいっちゃいかん!

 

もっと車が大きいのに車内がダイハツコペンより小さい車はまぁまぁある。

 

という訳で車内空間は何も問題ない。片道400km以上のツーリングでも問題ないだろう。(そのくらいの距離なら多分どんな車でも疲れるw)

 

それにパワーもトルクが細くてイラつくようなこともない。

よく出来てる。

 

途中で屋根をクローズしてみた。

アウディのA3と大差ないくらい静かになる。いいね!素晴らしい!

 

デートカーになるよこれ。

 

それじゃ一番楽しみなスポーツモードにしてパドルを使ったマニュアルモード。屋根もオープンにしてワインディングを駆け抜けてみよう。

 

バルブが開いてコンフォート比、体感20%くらい音が大きくなる。

 

まずはストレートで2速で深く踏み込んでみる。

『クワァァァァァン!』と伸びやかな音。タコメーターが瞬読出来ず、何回転かはっきりとはわからないが、体感で3000回転くらいからぐっと背中を押される加速感。

 

俺がよく文中で使う『心地よい加速感』だ。

速いか、遅いかで言ったら『遅い』部類に入るのだが、だからと言ってつまらないとすぐ片付けることは出来ない、満足感のある必要充分な速さ、、、なのだ。

 

たかだか200馬力弱、アルファの4Cでもない限り恐怖を覚えるような加速は市販車ではなかなかないだろう。

だが、とても心地よい加速感なのだ。

日本のワインディングを快適に走るためにはこのくらいで丁度いい。

 

ただし、DCTではないトルコン8AT。

回転域によってはスムーズに繋がらないことが多々あり、パドル操作に対してワンテンポ遅れることが多かった。

 

BMWのトルコン8ATは割と出来がいいけれど、やはりダイレクト感あるスポーツ走行ではDCTの方が楽しい。

ただし、このZ4はスポーツモードに入れてもラグジュアリーとスポーツの割合は6:4くらいで、俄然ラグジュアリー要素が強い。

スポーツモードでも足は柔らかくバタバタしないし、滑らかなまま。

エンジン音もそこまで大きくならず、むしろ静かだ。

 

この車はビュンビュン飛ばすよりも女性を助手席に乗せて、もしくは1人で颯爽と涼しげな顔で走り抜けるのが似合う。

レーシンググローブして乗りたい人は6気筒モデルかMに乗るべきだ。

 

 

まとめると非常にラグジュアリー要素が強いオープンスポーツカーである。

トヨタがポルシェを打ち負かす車を作ろう!とBMWに話を持ちかけた時『バカか。』といったのは有名なエピソードだが、協業相手がアウディなどであれば可能性があるがトヨタがパートナーではそんな車を作ることは不可能だ。

 

何より、BMWが作りたいZ4はこれなのだ。

レーシンググローブをして乗るような車ではない。

 

こうしてみるとポルシェは本当に本当に有能だ。デートにもレースにも使える。

しかし、デートに特化したいのであればZ4も全く負けてはいない。

 

この車に乗るとスポーツカーは『速さ』だけが全てではないという事がわかる。
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