走る室外機。
先日TVゲームのグランツーリスモで見つけたシャパラルの2Jというクルマ。
デザインは死ぬほどかっこ悪く音も最悪だ。
しかし、一度見たら忘れられない強烈なインパクトがあるw
(本文中の画像はWiki navi.netより。)
7600ccで約700馬力。車重が800kg前半。これだけでも尋常でないパワーウェイトレシオなのに、このクルマをもっとも印象付ける後部のファン。これは車体内部の空気を強制的に吸い出し、低速時でもダウンフォースを発生させる役目を果たす。
シャパラルの2Jというクルマについて、もう少し詳しく見てみよう。
1970年のCan-Amシリーズに登場した2Jはシャパラルの最も特異なマシンである。いわゆるファン・カーに分類される(自動車レース史上さほど多くない)車の一台で、「バキュームクリーナー(真空掃除機)」とあだ名された。
GM技術研究グループの実験車をシャパラルがレース用に改良したもので、車体内部の空気を強制的に吸い出すことで路面との間に負圧空間が生まれ、ダウンフォースが発生するというアイデアを実践している。
車体の前輪より後ろは箱型のボディに覆われ、変速機上部に設置した274ccの補助エンジン(元はスノーモービル用)で17インチのファン2機を回し、車体後部から空気を排出する。
ただし、ファンから埃や小石を撒き散らすため、後ろを走るドライバーには迷惑がられたという。(Wikipediaより)
最後の二行が笑えるが、
『見た者の記憶に焼きついて離れない』
という店ではフェラーリのスペチアーレをも大差で凌ぐだろう。
実際にGoodwood Festivalで走ったときの動画を見てみよう。
まずこちらがエンジン始動時の様子。
走行用のエンジンとファン用のエンジンが別々にかかっているのが確認できる。
走行時にファンが巻き上げる土ぼこりもすごく、何ともアホっぽい。
そしてこちらが走行シーンを別アングルから撮ったもの。
芝刈り機の音がするw
Chaparral-Chevrolet 2J at Goodwood Festival of Speed 2011
究極のダサさであるが、今ほどレースのレギュレーションがガチガチでなかったからこそ生まれてきた1台。
このクルマは、翌年のレギュレーションの変更によって姿を消してしまった。決勝ではメカニカルトラブルが多かったが、予選では速かったそうだ。レースに差がつきすぎないよう出る杭を打ち続けた結果、今日のようなつまらないレースばかりになってしまった。
今は市販車もレースカーも似たような車ばかりが並ぶ。
こうした2Jのようなインパクト大のクルマが走り回っていた昔は、今となってはとても魅力的に思えるのだ。