期待が大きすぎると往々にしてガッカリするものである。
今回アルファロメオのステルヴィオ ディーゼルに試乗する機会を得た。
そもそも速いSUVなど興味がないので(ましてディーゼル)何も期待していなかった。
期待していないというか、このクルマの事を何も知らない。
ドイツ勢メーカーはある程度拮抗しているし、グループ会社で共有のエンジンやプラットフォームも多い。そうしたとき、それぞれの乗り味はある程度想像できてしまうものだ。
そうした中アルファロメオの2.2ディーゼルエンジンは自分にとっては未体験エンジンだ。予備知識0で新しい車に乗り込むのは自分でもワクワクする。
走りはどうか。
スペックは以下の通り。
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4690×1905×1680mm
ホイールベース:2820mm
車重:1820kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:210ps(154kW)/3500rpm
最大トルク:470Nm(47.9kgm)/1750rpm
タイヤ:(前)235/60R18 103V/(後)235/60R18 103V(ブリヂストン・デューラーH/P SPORT AS)
燃費:16.0km/リッター(WLTCモード)
価格:617万円
全体的に曲面が多い造形のクルマ。
フロントはトヨタのCHRに、リアはマツダのCX-5に似てる。
あまりかっこいいともかわいいとも思えない。
複数の操作をハンドル上で行える今どきのハンドル。
とても便利でこのクルマには合っているが、個人的には何もついていないシンプルなハンドルが好きだ。エンブレムは最高にかわいい。
インテリアはマセラティっぽい。
マセラティというか小型レヴァンテだ。
マセラティも近々小型SUVを出すそうだが、ステルヴィオがベースなのは間違いないだろう。
さて、ジロジロと中を眺めたので動かしてみる。
エンジンをかけると外音はディーゼルのガラガラ音で、車内は静か。アイドリング時はディーゼル特有の微振動があるが、BMWのX1 18dよりは振動はおとなしい。
走り出すと窓を閉めている限りディーゼル車に乗っている感じはない。(いまどきのディーゼル車はみんなそうだが)
動き出して思ったのがステアリングの反応がめちゃくちゃ良い。
遊びがほとんどなくて、ほんの少し左右に振っただけででクルマが即座に反応する。とてもクイックだ。
そしてクルマがすごく軽い、、、感じがする。
操作系は剛性感がないというか、アクセル、ブレーキのタッチがふにゃふにゃ。
普段乗っているアウディなどのドイツ車は割と重めで『グググっ』とブレーキ踏んでるぞ!という感じであるが、このステルヴィオは停止時にブレーキを踏むとまるで猫を踏んでいるかのようだ。
なのにきちんと停まるし反応も悪くない。
今までにない新手の乗り味だw
当然車内は静かで、通常の市街地走行をしていても何も問題ない。
それなので次はDNAモードのD、ダイナミックに入れて踏み込んでみる。
この電子制御も今はほとんどの車についていると思うが、このクルマも例に漏れず。Dに入れるとゴツゴツとショックが増える。
開けた直線にきたのでパドルを使用し低速から回してみる。
ググッと猫を…じゃなかった、アクセルを強く踏み込むと"軽い"エンジンサウンドを発しながら軽やかに進んで行く。パドルの変速スピードも速い。
そしてタッチの謎なブレーキを踏むと過不足なく減速する。いつも慣れている車に比べると、強くブレーキを踏むと簡単にロックしそうなタッチ感だ。(実際にはABSが効くのでロックはしないだろうが)
ホントに軽快。
ハンドル操作がクイックでアクセル、ブレーキはフニャフニャ。
なのに軽快な加速減速をするので車が軽い感じがする。乗っていて遅いと感じることもない。横風が吹けば車線変更してしまうのではないか?!っていうくらい軽さを感じる。
イタリアは峠道が多いと聞くが、こうした軽快なSUVであれば快適で楽しく過ごせるだろうなぁ。
期待していなかったけど想像以上によくて、びっくりなステルヴィオ ターボディーゼルQ4でした。