デブだなぁ。。
春を感じる季節になってきた3月の末日。
同社の他の車種ほど興味を持てなかったマセラティのレヴァンテに乗る機会を得た。
なぜ興味が持てなかったかを自分なりに考えてみた結果、やはりスタイリングがダサいというのがとにかく一番だ。
鏡餅のようにでっぷりしていてまんまる、後姿もギブリやクワトロポルテの流れを汲んだテールデザインだが全く好きになれない。
でも、マセラティである。何と言ってもあの名門マセラティである。
そんなダメダメ、全部ダメな車は出してはこないだろうと思い試乗。
鏡餅に似ている。
【走行性能&乗り心地】
混んだ街中での試乗だったので高速走行についてはわからないので重要なことではあるが本レビューでは割愛。
エンジンスペック等
V6 2979cc
最高出力 350ps
最大トルク 51.0kgm
全長5000×1985×1680mm
車重2140kg
トランスミッション 8段AT
動かすととても大きな車に乗っている気がする。
大きさがほとんど同じであるAudiのQ7などは走行中は車がとてもコンパクトに感じられるのに対して、レヴァンテはQ7の一回りか二回り大きい車に乗っているようだ。
シートは横幅も縦幅も充分に広く硬め。しかし、スポーツモードに入れても不快な突き上げはないので快適。アイドリングストップのマナーも良し。
パドルシフトが金属で爪があたるとカキン!となる上質な感じも良い。ただし、マセラティ全車にいえる事だが、大きいパドルシフトの奥にウィンカーレバーがあるので遠い。
ノーマルなモードでは車内はドイツ勢ほどでないにしろ充分な静かさ。アイドリング時や極低速時は遠くからエンジン音が聴こえる。これがQ7なんかになると無音だ。これは双方意図してやっていることだと思う。
スポーツモードに入れるとバルブが開いてエンジン音が大きくなる。
アイドリング時も結構エンジン音が入ってきてやるぞ!という気分になる。(何を?w)
官能的な音ではないが回すとそれなりの音とともにデカイ車体を前へ推し進めていく。
力強く走る演出は結構過激で、3000回転越えた頃から段々エンジンが大声を出し始める。そしてシフトダウン時はバフバフ!!とマフラーから盛大な咳払いが聴こえる。
質実剛健と評されるドイツ車勢が表情一つかえず、冷酷なまでの強烈な加速をするのに対してこちらのレヴァンテ、目を充血させ鼻息を荒げ、耳から煙を出しながら加速していくようなイメージだw
古典的なのかな??
それなので同じスピードで走ってもレヴァンテのほうがずっと走ってる感はある。
ただ、8段のトルコンATはスムーズでは有るもののシフトチェンジはのんびりしている。こういうところはイギリス車的な感じだ。
気になったことといえば、左足のフットレストとブレーキの位置が近い。
やはり左ハンドルがベースなのを痛感する。
繰り返しになるがパドルシフトは金属で質感が高い。
リアシートはフロントシートほど座面が広くないが必要充分な広さ。
【総評】
高速鏡餅。
このスタイリングが好きなのであれば特に不満はないのでは。
結局、モノの寿命ってデザインによるところが一番大きいと思う。
どんなに使い勝手が良いバッグや服もダサいと使わなくなってしまう。
けれど、例え使い勝手が悪くてもすごく可愛いワンピースやかっこいいカバンは使わなくても長い時間手元にあるんだよね。
個人的にはデザインがまず好きではないのでやっぱり余計に粗が気になってしまう。
でも、それってほんと個人的な問題。
みんな男女のタイプは違う。みんな好きになった人が一番。
それと同じ。
今回俺はレヴァンテに恋することはなかった。
けれどこの走りに対する気迫と力強さはレースで培ってきた名門マセラティの血がしっかりと受け継がれていると思った。