のぶろぐ13。

毎日が夏休みの人生。

スバル WRX STI タイプS 6MT 2019 レビュー。

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今まで乗った日本製スポーツカーの中で一番良い。

 

ラリーで地位を確立したスバルの代表作。見た目はコテコテのスポーツセダンだが、これはこれでかっこいいな。流れるようなデザインのフェラーリ的な美しさとは対極をなす、機能を追及した結果のデザインだろうか。なかなかにワイルドだ。モデル末期らしい。

 

 

 

基本、輸入車にしか興味がないため、日本車のことはさっぱりわからない。しかし、先入観が全く無いのもこれまた面白い。やはり、これから初めて会う女性が『性格キツイよ』と知り合いに言われれば、意識してやり取りしてしまうものだ。それなので、スペックも生い立ちもわからない車に乗るのは結構刺激になる。

 

WRX輸入車基準の目線で見ると、まずやっぱりデザインが不恰好。車高が高いし、太って見える。しかし、後席を見てびっくり!!

なんという足元のゆとり!

BMWの7シリーズかと見間違うほどの足元の広さだ。

頭上も胴長短足の日本人に合わせたかってくらい、ゆとりがある。

 

やはりメーカーや車種にもよるだろうが、デザイン重視で後席が犠牲になっている車も多い欧州車に比べて日本車は逆だ。デザインを犠牲にして車内空間の快適性を作り出しているのだろう。(メーカー的にはデザインを犠牲にしているつもりはないだろうが)
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スバルWRX STI タイプS

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4595×1795×1475mm
ホイールベース:2650mm
車重:1510kg
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター水平対向4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:6段MT
最高出力:308ps(227kW)/6400rpm
最大トルク:422Nm(43.0kgm)/4400rpm
タイヤ:(前)245/35R19 89W/(後)245/35R19 89W
燃費:9.4km/リッター(JC08モード)
価格:406万0800円

 

2リッターの水平対向4気筒ターボの308馬力でトルクは43kgm。素晴らしい。

これは乗る前から楽しみになる数値だ。これを6MTで操る。タイヤは前後同じサイズ。
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室内はスバル的な内装。過度な装飾はなく、シンプルかつスポーティーサイドブレーキもレバー式。
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ゴリゴリした操作感のマニュアルトランスミッションレバー。
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後席は広く、真ん中の席はちょいと特等席だが、大人4人が乗る分には全く問題ないだろう。

ブレーキはブレンボ製。
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さてエンジンをかけてみよう。

ボクサーエンジンが割と静かに始動。最近は純正マフラーでも始動時は『バフォーン!』と派手な演出がある車が多い中、このWRXは始動時の音量はけっこう静か。もしかしたら暖気済なのかも。

 

ギアを1速へ。

ソロソロと発進するが、発進直後の低速トルクは細い感じがする。

走り出してしまえば問題ないが、発進時はちょっと気を使う。

 

自分で初めて購入したマニュアル車360モデナ。排気量も倍くらいあったので比較する車としては参考にならないけれど、【アクセル踏まず半クラのみ→車が進みだす→それからアクセルを踏んでいく】という手順だったので、同様にやると止まりそうで心配。

マニュアル車は大排気量の方が発進は楽。

 

動いている間はドロドロとスバルのボクサーエンジンサウンドが轟き、これが結構楽しい。ポルシェのケイマン、ボクスターも同じ音してたな。あっちの方がノーマルマフラーでも、より大音量だったが。

 

サスもガチガチではないし、車内は適度にドロドロ音。騒々しくて会話できないようなレベルでもないため、いいバランス。

 

加速チェック

開けた道に来たので加速チェックする。

モードをスポーツ+に相当する(と思われる)、S#モードへ。

1速へ落とし、発進のためアクセルに足を乗せるとびっくり。

 

今までとレスポンスが全然違う!

踏んだ分だけグイグイと車を押し進め、さっきまで、ちょっとかったるかった感じが霧散。

 

まるで水を得た魚のように加速し、高回転まで回すとボクサーサウンド

『がるるるるー!!!』

と大声でほえる!

 

そこからシフトチェンジしさらに踏んでいくと、衰える様子もなくさらに加速。

 

いやはや、これは楽しい!

 

この車はS#モード固定で使うのがよし。

ワインディングもスイスイと走るし、ブレーキも適度な効き具合で使いやすい。

 

総評

今までの人生で乗った日本製スポーツカーの中でダントツ素晴らしい出来。

この車を一言で表すと

『粗野』。

【そや】で意味はあらあらしく野生的で、洗練されていないこと。

 

例えばアウディのS3などは、4気筒ターボで300馬力前後だが、S3は全開加速をしても眉一つ動かさずポーカーフェイスで加速していくような感じだ。どこかに飛んで行っちゃう感じもないし、グッと身を低く構えて無言で駆け出すチーターのような感じだ。

 

それに対してこちらのWRX STI『おりゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!』って、思いっきり大声出しながら汗だくになって駆け抜けていくような、そんなイメージだ。

 

ホント、まだスポーツカーの原生林の部分も残っていて、ハイテク装備でガチガチになった車の安定感とは全然違う楽しさがある。

 

この車がもっともっとパワーアップして、洗練されるとBMWのM2コンペティションになるような感じ。

 

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今や技術の進歩によりハイテク装備満載の自動車ばかりになっている。

 

キレイに飾られた高級フレンチの野菜もいいけれど、畑で採れたての野菜にそのままかじり付くのだって全然負けていないのだ。

 

このWRX STIは泥つきの野菜だ。

そして日本のスポーツカー界の宝物だ。

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